DAY 11 港区から豊島区へ(後編)

  • 2015/10/29

としま会議に初参加!

以前から気になってた上に、昨日のEventSalonでの中島さんのプレゼンや前編に書いたco-ba ROYAL ANNEXの運営者インタビューを経て、ますます気になるとしま会議

2014年8月に始まったこのイベントは前半が豊島区のおもしろい人を集めたトークライブ、後半は参加者みんなで語り合うパーティーの2部構成。毎回5~6名のゲストが1人7分のプレゼンテーションをします。昨夜のEventSalonもプレゼン時間が短かったですが、それが聞いてる側には「もっと聞きたい」と思うよい時間設定なのかなと思いました。

みなさんは豊島区と聞いてどういうことを思い浮かべるでしょうか?東京になかなか縁のなかった私にとっては完全に未知の領域でしたが、山手線の駅で豊島区内にある「池袋」「目白」「巣鴨」などの地名は知っていました。建築関係では、日本初のマンション一体型再開発として今年5月に完成した豊島区新庁舎(隈研吾氏設計)が思い浮かぶかもしれません。

池袋がある地域というとすごく都会の印象でしたが、2014年に「消滅可能性都市」に東京23区内で豊島区が唯一ランクインした際には話題になりました。ちなみにこの「消滅可能性都市」、広島県内では広島市安佐北区、江田島市、竹原市などが入っていますが呉市は入っていません。(だから安心、というわけではないのですが。)

参加者の約95%は豊島区在住か在勤か活動している人、その他が区外の人ということ。最初は1人1分で参加者どうしグループをつくって「自己紹介」「豊島区のこの店のこれがおすすめ!」の時間。地元の人たちはすごくローカルなお店の話で盛り上げれるんですよね。「○○にある○○っていう住宅街にある隠れ家的なお店のドライカレーがおいしくて。。。」みたいな話がどんどん出てくる。地元の人が集まる会ならではの雰囲気。開始からわずか10分で会場全体の一体感が出てきます。

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▲としま会議を通じて「豊島区で行きたい場所が増えた」と話す青木純さん

ゲストによるトークセッション

今回は5名のゲストによるトークセッション。まずはじめはクリエイティブ集団「bird + insect」のCEOでフォトグラファーのシュンタロウさん。”渋谷区松濤から豊島区東長崎へスタジオを移転してきた”と紹介されて会場からどよめきと拍手が。親戚の方のお宅が豊島区にあったそうで、そこをリノベーションしてスタジオにしたそうです。「この写真は東長崎で撮ったんですけど」とモデルさんが写っている写真が出てくると会場からまたまたどよめきが。普段見慣れている地元がすごくきれいでかっこいい写真になっているとやっぱりうれしいですよね。聞いてる側のリアクションがいちいち大きいのも見ていておもしろい。

続いては「HASUKE-葉祐-」の小林祐さん。植木職人であり、最近は趣味で始めた苔玉を地元のマルシェで売ったりもされているそうです。司会の中島さんが「なんでコケ玉好きなんですか?」って聞いたら「好きっす」とだけ答えるような方。決して話すのが得意な方ではないけれど、一言一言にすごく思いを感じる素敵な方でした。としま会議のようなすごくあったかい雰囲気の会場だからこそ、こういう人の魅力も引き出せるのかなと思いました。

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▲植物に対する思いが滲み出る小林祐さんのプレゼン

3人目は外国人向けのシェアハウス・ゲストハウスを仲介する「TOKYO STAY」や外国人と交流できる飲食店「SPEAK EASY」の鈴木庸介さん。「大塚を健全な六本木にしたい」という目標で外国人を大塚に呼び込むための活動をされています。外国人街が形成される三要素は「住居」「仕事」「出会い」。SPEAK EASYでは過去に多くの国際結婚も生まれているんだとか。外国人向けの物件を貸してくれる大家さんはあまり多くないのだそうです。これから日本で生活する外国人が増えるのは目に見えているけれども、まだまだいろんな問題があるのだなということを改めて知りました。外国語学校の移転に伴って「いま東京で民族大移動が起きている」というお話も聞いていて楽しかったです。

4人目はドローン持参で登壇された「SkyLink Japan」の奥村周也さん。トップバッターのシュンタロウさんと同じ「bird + insect」に所属しつつ、日本で初めてのドローン導入コンサルタント会社にも所属されています。災害時の状況把握や映像制作などで活躍する可能性が期待されていますが、一方で最近では首相官邸とか姫路城とかに落下してしまってマイナスな面で話題になってしまって12月から法律で使用が大きく制限されます。特に東京や大阪などの大都市ではドローンを飛ばすことはほぼ不可能になるのだそうです。今後首都直下地震とか南海トラフ巨大地震とか大都市に被害を与える大地震が起こる可能性がありますが、最先端の機械をどう上手に使っていくのか、適切な使い方を広めていくことが重要だなと思いました。呉高専の学生もドローンを使って地域に役立つ何かができないかなぁ。

最後は池袋駅西口で29年間「Teishoku 美松」を営む田村久雄さん。8坪の小さなお店で営業時間中はひっきりなしにお客さんがやってくる人気店だそうです。原稿を用意して穏やかに、にこやかに語っていただきました。息子さんが料理の道に進むことになった際には77項目ものアドバイスを手帳に書いて手渡したとのこと。「余計なお世話なんですけど」と言いながらも料理人の先輩として、そして父として、気持ちというより魂のこもったこの手帳はきっと息子さんの生涯の財産になるでしょう。私は息子にどんなものを残せるかな。
「小さい生業のいいところは、家族が生涯に渡って年相応に現役で働けること」。今もお母さんと叔母さんが現役でお店に出ていらっしゃるそうですが、「今も僕はすねをかじってます。介護どころの騒ぎじゃないです。まったく逆です。」とのことでした。

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▲創業29年の定食屋さんを営む田村さん

人気店の「Teishoku 美松」を離れてプレゼンをされた田村さん。お店は今日はお休みかなと思っていたらお母さんがお店を切り盛りされているとのこと。「中島さんの顔を見たら断れなくて」と田村さん。この素敵なイベントは、中島さんをはじめ運営されている方々の参加者の目には見えない努力の積み重ねによって成り立っているのだなと強く感じました。

トークセッションの後は参加者みんなでのパーティー。前半で会場の一体感が高まっているので、パーティーでもおいしいロコモコを食べながら話が弾みます。最後はイベント告知。次から次へと今週末のイベントについて紹介があって、地域のあちこちで盛り上がっているんだなというのが感じられました。今回が14回目となるとしま会議に、初回から皆勤賞で参加されている副区長さんは今回も参加されていました。行政の方も参加しているのがとてもいいなぁと思いました。「このマチをもっとオモシロく!」。ほんとにどんどんオモシロくなっているようです!

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▲パーティーの後はイベント告知タイム

としま会議 http://toshimakaigi.tokyo/

◆今日のみっちー日記◆
10/29(木)・くもり
・盛りだくさんの1日。会った人、話したこと、感じたこと、もう頭がいっぱい。
・運営者の思いってちゃんと場の雰囲気として現れるんだなぁ。
・としま会議はとにかく感動。うまく表現できないので興味のある人はぜひ一度ご参加を。

Profile  光井周平

1983年広島生まれ。幼少期から城好きだったことが要因で中学校卒業後に呉工業高等専門学校(呉高専)建築学科に入学。 卒業後は広島大学に編入学をして、大学院工学研究科博士課程前期、後期を経て母校である呉高専に教員となる。 専門分野は建築構造で、助教として主に木造建築に関する研究をしている。 学生とともに呉市両城の空き家再生プロジェクトに取り組み始めて以来、“場(空間)”と“そこに集う人々”が地域の活性化に どのような役割を果たすのかに関心がある。2015年10月から12月まで民間企業研修のためツクルバで活動中。