京王線調布駅から徒歩1分にある会員制コワーキングスペース「co-ba CHOFU(コーバ チョウフ)」には、様々な仕事をしている人たちが日々集まっています。
いったい、どんな人たちがco-ba CHOFUを拠点に働き、暮らしているのでしょうか。
「今の仕事について」「co-baでの過ごし方」「co-baを仕事の拠点に選んだ理由」「今後の事業展開について」の4つの質問を軸に、会員さんにお話を聞きました。
vol.2は、株式会社echelleの代表である山村真稔さんです。
いつも気持ちの良い挨拶をしてくださり、マスクの上からでも分かる素敵な笑顔が印象的な会員さんです。
株式会社echelle代表の山村真稔です。弊社は「最期まで個が尊重される社会の実現」を目指し、事業内容としては、訪問看護ステーションなどの在宅医療介護事業所向けに、業務を効率化するクラウドサービスの開発・運営を行っています。
具体的には、訪問看護ステーションの管理者の方の日々のスケジュール調整業務の負荷を軽減したり、経営状況をグラフや表にまとめたダッシュボードで見える化をしたりすると同時に、改善コンサルティングを行っています。
母親から、とあるおじいちゃんが、
「わしらは、誰も面倒見てくれんようになるから、介護士や看護師の言うことはなんでも聞かなあかんねん」
と言っていたという話を聞き、色々な事情はあるものの、サービスを利用する高齢者の方が卑屈な思いをしている現状を知りました。
一方で、現場で働く職員の方の話を聞いても、モチベーション高く仕事している人でも、
「どれだけ頑張っても報われない」「忙しすぎてご利用者と向き合いきれない」
といった声を伺う機会が多かったのも印象的でした。
こうした現状を知り、「個人がエンパワーメントされる機会が、高齢者市場ではまだまだ不足していて、インターネットや技術を通じて、解決の余地がまだまだあるのではないか?」と思い、この業界の課題を解決すると決めました。
現場の方々にインタビューの機会をいただいたり、現場観察させていただいたりする中で、職員やサービスご利用者の条件マッチングと、職員の方がご自宅にお伺いする際の訪問ルートの大きく2つを加味しながら、刻一刻と変化するご利用者の都合に合わせて、スケジュールやシフトを組む作業に多大な負荷がかかっていることが分かったからです。
具体的には、
「毎日プリントアウトした紙に書かれたシフトは赤ペンまみれ」
「ホワイトボードとパソコンとスマホとFAXと…とあらゆるツールでの非効率な管理」
「調整漏れが発生してしまって関係者の方に迷惑をかけることもあり」
などなど挙げ始めるとたくさんの悩みと現場は向き合っていました。
そこで、「実はスケジュール管理をクラウド上でAIが自動作成してくれるサービスを検討している」と、具体的なイメージも合わせてお伝えすると、まだサービスが出来上がってもない状況にも関わらず、「それがあれば、業務時間が減るし、職員の稼働率も上げられることに加えて、管理業務の属人化もなくなるし、中長期的な経営の安定化につながる」とポジティブな声とともに、「ぜひ導入させてほしい」とお申し込みを得ることができました。
以上のようなやりとりで、この課題は現場の方々にとってなくてはならないサービスになる可能性が高いと信じて、私たちは CareMaker という訪問スケジュール管理の効率化・標準化を通じて、ケアする人の生産性を向上するクラウドサービスを開発・運営するに至りました。
週5日程度利用しています。
だいたい朝8時頃にco-baに来て、午前中のみ利用するか、会議が遅くにある場合は21時頃まで滞在することもあります。
co-baでは、会議の準備やコンサルティングに向けた調べもの、その他お客様対応などをしていることが多いです。
また、co-baのオンラインブースを利用して、クライアントの方や社内メンバーとの打ち合わせをしています。
▶co-ba CHOFUのオンラインブース。向きを変えたり、吸音材を貼るなど進化中
家が近いので、昼には一旦家に帰ったり、co-ba周辺のお店でご飯を食べたりしています。「天丼てんや」や「松屋」に行くことが多いですね。安くておいしいのでお気に入りです。
また、気分転換にco-ba周辺を30分ほど散歩します。何も考えずに歩くことで、気分もリフレッシュできます。たまに、トリエ京王調布の書店で気になる本を探したりすることもあります。
▶散歩でよく通っているトリエ京王調布C館横の「てつみち」
集中BGMを聞いています。
耳をふさいでいないと、なんだか落ち着かなくて(笑)BGMを流すことで、集中して作業ができます。
自宅で仕事をすることもありますが、ほとんどco-baか、もしくは現在(2021年9月)弊社が東京都主催のアクセラレーションプログラムの12期生として採択されていることもあり、渋谷にある青山スタートアップアクセラレーションセンター(ASAC)のコワーキングスペースで仕事をしています。
アクセラレーションプログラムは、東京都の政策課題に関する分野や、ベンチャーキャピタルが投資しにくい分野等で起業を予定している人や創業3年未満の企業が、短期集中的にメンターや先輩起業家からのアドバイスを通じて、事業のブラッシュアップを図り、最終的にベンチャーキャピタルからの投資や大企業との事業提携に繋げることを目指すものです。
ちょうど1年くらい前に、知り合いの方がFacebookでシェアしているのを見て、応募しました。
創業初期で右も左も分からない私にとっては、担当アクセレーターや外部メンターの方から、課題に応じて適宜支援を受けられたり、同期受講生との交流ができたりしたことは、とてもよかったです。
湘南や千葉北で趣味のサーフィンをしたり、サウナで身体を休めたりしています。
理由は2つあります!
1つは、拠点として選ぶ上で最も大事にしている自宅から距離のところで、co-baが最寄りにあったこと。
そして2つめは、オンライン会議などを行うと、周辺住人から騒音の苦情が来た過去があり、周囲に迷惑をかけないためにも、自宅以外でオンライン会議ができるワークスペースを探していたところ、co-baが気軽にオンライン会議ができる場であったことです。
弊社は「最期まで個が尊重される社会の実現」を目指す中で、現時点ではケアする人の業務を効率化するなど、より本来的な仕事に集中できる環境・仕組みづくりにチャレンジし、命のインフラ創造を試みています。
医療介護市場は、国家トレンドとして「施設から在宅へ」とシフトをしており、コロナ禍でさらに加速している数少ない成長産業であると同時に、テクノロジーを通じて産業変革の意義が大きな市場です。
そんな市場でチャレンジすることに関心のある、特に(一旦細やかなスキル要件などは置いておいて)エンジニアやデザイナーの方がいらっしゃれば、具体的に展開中のSaaSプロダクトや今後のロードマップなどを、お話しさせていただきますので、ぜひお話の機会をいただけると嬉しいです!
山村さんのお仕事で、医療介護従事者の方々が、一人ひとりの患者さんに対して、気持ちに余裕を持ってサポートできるようになれば、介護される側もする側も心にゆとりができ、とても幸せになるなーと思いました。
また、訪問介護の現場の様子なども伺って、co-baCHOFUの運営会社Polarisの伴走サービスCoHana(旧:セタガヤ庶務部)とも何か連携できないかな…という話もさせていただき、私たちも実りある時間となりました! (聞き手:chika)