京王線調布駅から徒歩1分にある会員制コワーキングスペース「co-ba CHOFU(コーバ チョウフ)」には、様々な仕事をしている人たちが日々集まっています。
いったい、どのような人たちがco-ba CHOFUを拠点に働き、暮らしているのでしょうか。
Vol.14は、大学でデータサイエンスやデジタルマッピングの授業を持ち、大学院でアカデミックライティングの指導を行っている小野恵子さんに、現在の仕事について、co-ba CHOFUに入会したきっかけや利用の仕方、今後やりたいことについてお話を伺いました。
アメリカの大学の日本キャンパスで、データを用いて科学的に有益な知見を引き出すデータサイエンスや、地理空間情報(GIS)をデジタル形式で可視化するデジタルマッピングを大学生に教えています。元々は専門分野である政治学を教えていたのですが、政治を計量的に分析することと統計学に注力してきた経験から、データサイエンスやデジタルマッピングに方向転換して、4年ほど前からデータサイエンスを中心に指導しています。
社会人のキャリアのスタートは新聞記者でした。大学を卒業後、英語が好きだったこともあり、アメリカ・ニューヨークの大学院に進学してジャーナリズムを学び、帰国する予定だったのが、たまたまご縁があって全国紙の現地法人に就職しました。
その後、大学の政治学の教員・研究員など、気がつけば20年以上、アメリカ生活を送りました。10年ほど前に帰国し、世界各国の公務員が政策を学ぶ日本の大学院でアカデミックライティングも教えています。
よく「どれが本業?」と聞かれますが、どれがメインということはなく、自分の中では自然な流れで今の仕事をしているという感じです。
―co-ba CHOFUにはどのようなきっかけで入会されたのですか
アメリカ生活を終え、大学卒業まで住んでいた調布の街に戻りました。その後の働き方を考えている時に、当時は珍しかったコワーキングスペースが調布にオープンすることを知り合いから教えてもらい、オープニングパーティに参加してみました。これがco-ba CHOFUを知ったきっかけです。仕事場を探していたわけではないのですが、自宅にずっと籠もって仕事をするのも気が滅入りそうだし、「とりあえず利用してみよう」と現在の場所に移転する前のco-ba CHOFUに入会しました。移転後も引き続き利用しているので、9年近くのお付き合いになると思います。
―どのようにco-ba CHOFUを使っていますか。
平均すると、土日含めて週4日程度、利用しています。授業の準備をして大学に向かうことも多いです。一般の方にもデータサイエンスやデジタルマッピングを伝えたいと思い、自分のアイデアや、英語で教えている教材を日本語でnoteに記録する作業などもco-baでしています。
そのほかにも、ワシントンD.C.を中心として世界中の女性、日本女性をつなぐネットワーク「ワシントン・ジャパニーズ・ウィメンズ・ネットワークのオンライン雑誌の編集作業などもco-baで行っています。アメリカ在住の頃から関わっているボランティア活動で、ウェブマガジンVIEWSの編集委員としてコンテンツのクオリティーコントロールやウェブ公開作業などをしていて、自分で記事を執筆することもあります。
―co-ba CHOFUはどのような存在ですか。
co-baは私にとって、自宅の延長、自宅の仕事部屋のような存在です。自宅に仕事部屋を持とうとすると大きな家が必要になりますが、それをco-baでまかなうと考えると会費は高いものではないです。しかも自宅の仕事部屋だと散らかったまま、積み上げ放題になってしまいますが、co-baは共有スペースなので、利用後には片付けざるを得ないところが実はよいところだと思っています。潔い感じがいいですね。
仕事するだけでなく、まったり過ごすこともあります。日頃からオンとオフの区切りがあまりない働き方をしていますが、終日co-baを利用するときは、近くのトリエ調布やパルコに行ったり、カフェでご飯を食べたり、気分転換することもあります。調布駅が近いので便利ですね。
最近はどこのカフェでも皆さん、仕事したり読書したりしているのを見かけますが、カフェに行かなくてもそういう場が確保できているのはありがたいと思っています。
―今後やりたいことなど教えてください。
データサイエンスはさまざまな場面で活用できます。国や自治体が公開しているオープンデータはたくさんあって簡単に可視化できるので、それらを使って分析できることもたくさんあります。例えば、街の人口は丁目単位だけでなく、もっと小さな区画ごとにデータをとることができ、濃淡をつけたデジタル地図として表示することができます。
「データサイエンスとは何か」「簡単なデータサイエンスとデジタルマッピングでこんなことができる」ということを、地域の皆さんにもお伝えするような講座などが開けたらと思っています。
データ分析まで手が回らない小さい会社や事業所をデータサイエンスでお手伝いするようなこともできたらうれしいです。
「co-ba CHOFUは自宅の仕事部屋のような存在」という言葉がとても印象的でした。
施設内に掲示している自己紹介カードには「旧co-baを含めると、co-ba滞在時間は誰にも負けません」と書かれている小野さん。時にはまったりしながら、第2の自宅のように利用いただいているというのは、運営する身として最上の褒め言葉に聞こえました。
いつもモニターを使って作業されていて、モニターにアーティスティックなグラフィックが映っているのを見かけることがありましたが、あれがデジタルマッピングだと分かってすっきり。
デジタルマッピングがどれほど簡単にできるものなのか、デモンストレーションしてもらえる機会を作れたらいいなと思いました。
あらためて、co-ba CHOFUにはさまざまな専門家たちが集っていることを実感するインタビューでした。
次はどのような専門家、どのような働き方をしている方が登場するでしょうか。
次回記事もお楽しみに(聞き手:MakiT)