3/23| co-ba ブッククラブ vol.5

  • 2019/03/06
※このイベントは終了しました。

イベント内容

開催日時18:30-21:00
開催場所co-ba nakanoshima
参加費1500円
定員10名程度
応募方法

Facebookの参加ボタンより表明ください!

イベントページ

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https://www.facebook.com/events/ical/upcoming/?uid=100002262962642&key=AQBrkkg-YbH731Tn

大好評の「co-ba ブッククラブ」も、もう5回目です。
今回のテーマは“出家遁世をめぐって”。

鴨長明が出家を決意し大原に移ったときの文章を取り上げ、それまでに至る長明のライフストーリーを紐解きます。
下鴨神社禰宜(ねぎ)の家に生まれながら、禰宜につく見通しはない。父のもとで高い文化的素養を身につけたが、父の死後「みなしご」となり、「キャリア」を自力できりひらくことが求められた長明。
生きづらい世に踏ん張り続けた長明は、何を思いどんな行動を取ったのか?

…気になりませんか?!笑

そして前回の感想を少し…。

「五つの不思議③」では、「養和の飢饉」と「元暦の大地震」を中心に読んでいきました。

▼長明が生み出した「新しい文体」

いつもながらその場その時の描写の鮮明さには驚かされました。また、今回はそれだけでなく長明が貧しい人や女性・子どもといった「社会の下部構造」に目を向けているところが面白かったです。

長明のすごいところは、この時代に文字通り「新しい」文体を作ったことにあります。
その文体とは、漢文の強みである事実の描写に、和文の強みである情緒的な描写を加えたものです。

こうした新しい文体だからこそ、飢饉の悲惨さと死んでいく人たちの中に見える親子・家族の情が描けたのかもしれません。

そうそう、文章を読んでいる途中に、「これは長明が書いた文章だと思いますか?議論になっている部分なんですが。」と桜井が問いかけました。

書いてある内容は少し前に出てきた内容と対になっているようにも思えるんですが、もう一度声に出しながら読むと少しリズムが違うようにも思います。そうした部分からも、長明の「文体」がどんなものかを感じることができました。

▼「あじきなし」をめぐって

相次ぐ飢饉や地震によって、「人皆あじきなき事を述べ」ました。
ここに出てくる「あじきなし」という言葉には、どうしようもないこととの対峙からくるある種の「つまらなさ」が含まれているんだそうです。

僕はまだ当時5歳だったのであまり覚えていませんが、阪神淡路大震災が起きた直後の空気感がこんな感じだったみたいです。

それは言い換えれば、今まで作り上げてきた人為的なシステムが一夜にして崩壊したことで、これまで自分たちの中にあった、「人との距離感」や「価値観」や「秩序」が変化してしまう感じ。
当時の人の中には、「戦後の復興って何やったんや…?!」と思う人もいたんだとか。

そんな話を聞いて、僕もこの前の高槻の地震を思い出しました。
僕はたまたま大阪の実家に帰っていて、母親と一緒だったんですが、「これは仕事行ってる場合じゃないな」というか「仕事より大事にしたいことって全然あるな」と思ったんです。

そういう自分の中での価値観の変化をもたらしたのは、地震という「どうしようもないもの」との対峙だったと思います。

長明の文章には、今のことと引きつけて考えられる要素がたくさんありますね。
実は「あじきなし」に含まれる「つまらなさ」をめぐっては、今の政治に対する僕たちの姿勢についても考えさせられたんですが、感想が長くなりすぎるので控えます!笑

とまぁこんな具合にたくさん考えられるブッククラブに是非とも皆さん参加してください(^^)♬
前回が初参加という方もいらっしゃって、とても満足していただけたみたいなので、途中参加大歓迎です!!

■予定 ①「ゆく河の流れ」
②「五つの不思議」1
③「五つの不思議」2
④「五つの不思議」3
⑤ 出家遁世をめぐって ←コレ!
⑥「閑居の気味」
⑦ 終章

■講師 桜井 淳

【co-ba ブッククラブとは?】

co-ba nakanoshima で月1回の「読書会」を開きます。

かつて読んだことがある本、名前は知っているけれど読む機会がなかった本、今話題の本、そんな本(作品)の中からひとつをとりあげ、いろんな視点から読んでいきます。

そして、その読みをつき合わせる中で、思わぬ発見があったり、自分がこうだと思い込んでいた読みががらりと変わったり…という、わくわくするような読書体験を共有しませんか?

目的は「読むたのしさ」を追求すること。
「予習・復習」など面倒なことはいっさいなしです。テキストや資料はこちらで用意します。参加にあたって、特に準備はいりません。

ブッククラブの皮切りは、鴨長明の『方丈記』です。

「『方丈記』?あぁ、あの〝ゆく河の流れは絶えずして…〟っていう「無常」の文学のこと?」
と返ってきそうです。たしかに。

ですが、この作品は、平安時代末、人々に襲いかかった災害の数々を克明に描いたルポルタージュ文学でもあるんです。

徹底したリアリストの目を持つ鴨長明、かれは、時代の転換をどうとらえたのか、自分の生をどんなふうに括ろうとしたのか、その無常観とはどんなものだったのか、そして、今の私たちにどんな問いを投げかけているのか…

一緒に考えたいと思います。

初回以降の日時は参加者と相談の上決定し、Facebookでお知らせします。
下鴨神社(河合社)や日野山など、方丈記ゆかりの地を訪ねる企画も!

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注意事項

■問合せ Books×Coffee Sol.
〒601-8005 京都市南区東九条西岩本町
16-2
075-200-6855
http://www.sol-ep.com/