今、ここが。アイデアの着火点――co-ba shibuyaは9月5日、資金と仲間、場所がそろうスタートアップ応援イベント「Stoke Point(ストークポイント)」を開催しました。
Stoke Pointは、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」、プロジェクトチーミングプラットフォーム「tomoshibi」、あらゆるチャレンジを応援するシェアードワークプレイス「co-ba shibuya」の共催イベントです。
起業前や起業直後のスタートアップを応援するため、「資金」「仲間」「場所(コミュニティ)」という3社のノウハウを提供するとともに、参加者同士でつながり、共に成長しあうコミュニティになることを目指しています。
イベント当日は、各社が提供するサービスの説明やパネルディスカッション、交流会などが行われました。今回の記事では、その様子を一部紹介していきます!
イベントの最初に行われたのは、3社が提供するサービスについての紹介です。
まずは、co-ba shibuyaコミュニティマネージャーの吉田めぐみが登壇。co-baの特徴やスタートアップにとっての「場」の意義などについて語りました。
昨今、フリーランスやスタートアップを中心に多くの人が利用するようになったコワーキングスペース。渋谷だけでも80か所を超えると言われており、co-ba shibuyaが考えるコワーキングとは「異なる職業の人たちが仕事場を共有し、場所をシェアするだけでなく、アイデアやスキルもシェアしながら、お互いを高めあっていくワークスタイル」をさします。
コンセプトとして掲げているのは、「あらゆるチャレンジを応援する」こと。そのために、会員同士の新たな出会いを生む「仕掛けづくり」を心掛けています。たとえば、会員専用の本棚を通して一人ひとりの顔が見えるようにしたり、イベントの定期開催、会員との共催企画など。
▲ co-ba shibuyaを運営するツクルバが提供するサービス
2018年9月現在、co-baはフランチャイズの形で全国23の市町村に拠点をおいています。また同年10月には、2つ目の直営店として同じく渋谷駅から徒歩5分の距離にスタートアップ向けに「co-ba jinnan」も誕生します(10月11日オープン予定。現在入居者を募集しているので、興味のある方はこちらから)!
「場」には2つ種類があると吉田はいいます。
一つは「Place」。コワーキングスペースは、法人可能だったり、24時間利用可能といったことに価値を感じる人は多いかもしれません。しかし、co-ba shibuyaではもうひとつの場である「コミュニティ」の要素もまた強く大事にしています。コミュニティの中で、予期せぬ出会いやコラボレーションがいかにうまれるか。ただco-baを作業場(Place)として持つのではなく、会員にはco-baの持っているコミュニティやリソースをどんどん活用して成長していってほしいと思っています。それがわたしたちの考える「あらゆるチャレンジを応援する」ことです、と話しました。
「私たちは単に『場貸し』をしたいのではなく、世の中に価値を生んでいくため、共に仕掛けていく仲間が集まる場所が欲しくてco-ba shibuyaを作りました。ここには多様な職種の方がいるので、ぜひ皆さんのアイデアを育ててください」と、吉田は語りました。
▲ co-ba shibuyaコミュニティマネージャーの吉田めぐみ
株式会社TOMOSHIBI代表取締役CEOの田中駆さんは、同社が提供するtomoshibiについて「プロジェクトへの共感と仲間を集めることができるプラットフォーム」と語ります。
tomoshibiでは、挑戦をしたい人がプロジェクトの概要が分かるページを作成し、そのページを見て共感したユーザーが、人材募集に応募できるサービスです。スタートアップの共同創業者集めや、NPOや学生団体のメンバー募集などに活用されているそうです。
▲ tomoshibiの利用イメージ
田中さんは、参加者に向けてtomoshibiで仲間を集めるためのコツも伝授してくれました。
1つ目はプロジェクトページの冒頭で、ユーザーを惹きつけるということ。そのためには、タイトルやアイキャッチ画像、概要文でプロジェクトの魅力が簡潔に伝わるよう工夫しなければいけません。たとえば、アイキャッチ画像は、サービスのイメージを訴求できるようなものや、オーナーの顔が見えるものを活用するのが効果的といいます。
また、募集枠には「エンジニア」や「デザイナー」など求めるコミットだけを明記するだけでなく、アンバサダーやイベント会場の提供者といった「余白のある関わり方を用意することも大切」と田中さんは語ります。これにより、プロジェクトに共感はしているけれど関わり方が見つけられないという方でも、ゆるいつながりを持つことが可能になるからです。
▲ 株式会社TOMOSHIBI代表取締役CEOの田中駆さん
田中さんがこれまで歩んできたキャリアやtomoshibiをどのような思いで立ち上げたかは、co-ba shibuyaのインタビュー記事でも紹介しているので、ぜひご覧になってください。
続いて登壇したのは、株式会社CAMPFIREの芦川雅隆さんです。同社は「小さな火を灯しつづける」を合言葉に、クラウドファンディングプラットフォームなどを提供しています。
クラウドファンディングは、不特定多数の人から資金調達をするイメージのある方が多いかもしれませんが、芦川さんは資金調達以外にも「3つのメリットがある」と語ります。
1つ目は、テストマーケティングにつながること。新製品の発表時などにクラウドファンディングで限定販売することで、開発費などを調達できるだけでなく、「もう少し安くしてほしい」「サイズや色の種類が欲しい」などの顧客ニーズを拾うことが可能です。
2つ目は、プロジェクトがメディアに取り上げられることも多いため、プロモーションにつながること。3つ目は、共犯者作りです。製作過程から支援してくださった方を巻き込むことで、ファンになってもらいやすいといいます。
▲ 株式会社CAMPFIRE 企画担当の芦川雅隆さん
イベント当日は、クラウドファンディングに挑戦した経験を持つ株式会社ONE NOVA代表取締役CEOの高山泰歌さんも登壇。ONE NOVAは世界一“透明”なパンツ(透けて見えるわけではなく、透明性の高いブランド)を販売しており、CAMPFIREを通じて資金調達を行いました。最終的には、目標金額50万円に対して、200万円以上の支援が集まっています。
高山さんは、成功した要因について「プロジェクトを公開するだけでは支援が集まりません。知人一人ひとりにメッセージするなど、泥臭くお願いすることが大切」と語りました。
▲ 株式会社ONE NOVA 高山泰歌さん
パネルディスカッションでは、3社が出会ったきっかけやStoke Pointを利用するユーザーの理想像、Stoke Pointのモデルケースなどについて説明が行われました。
Stoke Pointのコミュニティで目指すのは、参加者の新たな挑戦を3社のサービスを通して後押しすること。まずは3社それぞれが、理想のユーザー増について語りました。
芦川:高山さんが言っていたように、クラウドファンディングは泥臭い部分が多くて大変です。よほど著名人出ない限り、プロジェクトを掲載するだけでは、資金が集まらないでしょう。だから、起業家や個人事業主が始めるときは、その仕事にどれだけ熱意を持てるかが大切になってきます。Stoke Pointでも、強い熱意を持った人と一緒に取り組みたいです。
田中:熱意を持っている人というのは大前提ですよね。そのうえで、tomoshibiでは「お互い様」という精神を大事にしてほしいです。tomoshibiで集まった仲間たちは、どうしてもプロジェクトにかかわる時間にグラデーションが出てしまいます。たとえば、週2日コミットのデザイナーや、イベントのときだけ協力してくれるアンバサダーとかなど
このようにさまざまな関わり方をする仲間に対して、お互い様の精神で接して、自分が実現した思いやビジョンをしっかり共有できる人に参加してほしいと思っています。
吉田:「あらゆる挑戦を後押しすること」を掲げる中で、私たちが会員さんを応援する以外にも、会員さん同士で応援しあうという関係性も生まれています。たとえば、クラウドファンディングスタート後、たった2時間で100%を達成した会員さんがいました。その方はすごいフランクな方で、日頃からみんなに声をかけて相談したりテストプレイを繰り返していました。co-ba shibuyaでアイディアソンもやってましたね。会員は新しもの好きの人が多く、かつ「仕事」を軸に集まっている場所なので、こういうのは結構気持ちのよい巻き込まれ方なんですよ。そして、自分が関わったサービスって少なからず愛着がうまれてくるので、気づくと「応援する側」になっちゃってるんですよね。その結果がクラウドファンディングに現れたんだと思います。もちろんそれができたのは、その会員さんがサービスへの情熱をもっていて、かつ人間的魅力があるからだと思っています。
なので、自分なりの軸を持ち、仲間をつくりながら場を活用できる人が理想的なユーザーかもしれません。私たちも、そういうマインドの方が大好きなので、全力で応援したいです!!
また、Stoke Pointのモデルケースについても説明が行われました。たとえば、アイデア段階ではtomoshibiで創業メンバーやアンバサダーを募集したり、プロトタイピングの開発ではCAMPFIREを通じて資金調達を行うといったケースが考えられます。co-ba shibuyaは、場(コミュニティ)を生かしテストマーケしたり多様多種な仲間と出会うことが可能です。
今回紹介したのはあくまでモデルケースとなっており、それぞれのフェーズに応じて活用の仕方は実に様々。何百通りあるなかで、あなたにあった適切な利用方法があるでしょう。興味がある方や相談してみたいという方は、StokePoint 運営事務局(info@tomo-shibi.jp)まで。
▲ Stoke Pointの1つのモデルケース
イベントの最後には交流会が行われ、お酒を片手に参加者の方が登壇者へ熱心に相談する様子が見られました。中には、NPOの理事をしていてクラウドファンディングを活用したいという方、普段は企業で研究員として働いているが、数年以内に起業を検討している方も。
Stoke Pointは今後継続して開催していくことで、こうした新たな挑戦を応援するコミュニティになっていくことを目指しています。アイデアはあるけれど最初の一歩をなかなか踏み出せていないという方、第2回も10月24日(水)に開催!今回はアイディアの種火を具現化するためのワークショップを行います。いま、一歩を踏み出そうとしている、あなた。わたしたちと一緒に種火を着火せましょう!ご参加お待ちしております!
▶︎ イベント詳細はこちらから
Stoke Point #02 〜資金・仲間・場所が揃うスタートアップ応援イベント〜