co-ba chofu 防災知恵袋 イベント報告

  • 2019/11/01

2019年10月12日(土)に関東を直撃した台風19号。その影響で調布も浸水被害が発生しました。

co-ba chofu の会員さんは、その8割が調布市民ということで、スタッフが個別に会員さんに被害状況などをお聞きしていたら、「実際に避難所に避難した人」「悩んだ末自宅避難を選んだ人」「親族・友人宅へ避難した」と様々でした。

そんな会話を聞いていた会員さんから、「みんなの経験や情報をシェアする会とかやったら??」とご提案いただき、10月25日(金)に、co-ba会員さんと共に今回の台風19号での経験や思ったことをシェアする場を設けました。

 

台風前の異常な光景

 

スーパーが異常に混んでいる、パンや水の棚が空っぽ、養生テープや単1電池が売り切れている。

 

こんな光景を見た方も多かったと思います。懐中電灯の電池が切れいていることに気づいて慌てて買いに行ったら、既に売り切れていたという声もありました。

 

「これって、いかに日々備蓄していないかってことじゃない?」

 

確かに…なかなか日々防災意識を保つのって難しいですね。今回は地震と違って、数日前から予想でき、備える時間がたっぷりあった、ということも、この異常事態を生み出した要因かもしれません。

今回は「最大級の大型台風」ということで、窓割れの飛散防止方法が繰り返しマスコミで報道されていたのも、今までにない光景でした。実際に養生テープを「米」の字のように貼ったというSNS投稿の多かったこと!

しかし、風もすごかったけれど、もっとすごかったのは雨だった・・・という今回。

多摩川や野川が流れる調布では、川の様子にもすごく注目していました。ライブカメラ映像をまめにチェックしていた人も多かったです。

 

 

避難所もやもや

 

調布は、川の近くに避難所が設けられている場所もいくつかあります。

今回、調布、狛江では、予想を上回る市民が避難したため、避難所のキャパオーバーで別の避難所に移動してもらう、ということも発生したようです。

中には、ハザードマップ上では安全なエリアに住んでいるけれど、携帯電話から鳴り続ける警報音に不安になり、避難所に自主避難した方も。これについては、「一人暮らし」とか「助け合える友人や家族がそばにいない」といった状況が影響しているのかもね、という話になりました。

ちなみに、「避難勧告」と「避難指示」の緊急性の高さは

避難勧告 < 避難指示  が正解。

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◇警戒レベル4【避難勧告】

安全のため、早めの避難をうながす時に出されます。

拘束力はありませんが、必要に応じて早めの避難をして下さい。

 

◇警戒レベル4【避難指示(緊急)】

火災・洪水などにより著しい危険が切迫している時に出されます。

垂直避難する、親類の家に避難するなど、すみやかに避難して下さい。

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避難指示が出る頃には風雨が強まっているので、高齢者や小さな子ども連れでの避難はとても大変。

早めの判断が必要です。

お子さんや高齢者連れでの避難で車を利用した人は、「避難所に停められなくて、駐車スペースを探すのに苦労した」とのこと。車移動に備えて、避難所近くのコインパーキングをチェックしておくとよさそうです。

 

改めて調布市が発行しているハザードマップを見ていたら、気になったことが1つ。

野川・仙川の氾濫ハザードマップと避難所マップを並べてみると・・・

 

 

野川氾濫の際は浸水エリアになっている場所に避難所がありました。

ここで浮かんだ素朴なギモン。

 

「我が家より川に近い場所にある避難所と自宅、どっちが安全なんだろう???」

 

今回染地付近は、多摩川は決壊しなかったけれど、根川が越水して浸水被害が出ました。

染地エリアの災害ボランティアに参加した人が浸水被害を受けた方に話を聞いたところ、

「まさか自分の住まい一帯が浸水するとは思わなかった」

と言っていたそう。全ての川の氾濫や、排水機能が滞った時に浸水するリスクも加味されたハザードマップがあれば、避難するか否かの判断に迷わず済みそうです。

 

どこから情報得てた??

 

参加者が活用していた情報元は、「テレビ」「ツイッター」そして「調布facebook交流会」という意見が出ました。

特にfacebook交流会の情報は、調布限定の情報がタイムリーに発信されていて助かったとのこと。一方で、停電情報の投稿で、エリアが丁目まで記載されておらず翻弄された、という意見も。

 

茨城の災害ボランティアに参加した人は、「高齢者ほど情報収集力が弱いと感じた」とのこと。

過去にも川が氾濫した経験があったにも関わらず、「慣れているから」「大丈夫」と判断して、逃げ遅れた方もいたようです。

このような心理を「正常性バイアス」と呼ぶそうです。

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正常性バイアス=人間が予期しない事態に対峙したとき、「ありえない」という先入観や偏見(バイアス)が働き、物事を正常の範囲だと自動的に認識する心の働き(メカニズム)

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独断で判断せず、コミュニティFMやSNS、テレビなど複数の情報元を確認した方が間違いなさそうです。

 

まとめ

 

多摩川のほとりに住むということは、地震だけでなく水害リスクにも備えなければ、というのを身をもって実感しました。災害大国に住んでいる、ということを忘れずに、日々備えたいと思います。