10周年記念 会員座談会 「調布に暮らし、コワーキングスペースを利用するという働き方」

  • 2024/09/01

会員制コワーキングスペース「co-ba CHOFU(コーバ チョウフ)」は今年9月で10周年を迎えました。
現在運営を担う非営利型株式会社Polaris(ポラリス)は3代目。少しずつ形を変え、3年前に今の場所に移転し、現在に至ります。 (これまでの歩みはこちら

現在のco-ba CHOFUでは、創業の早い時期から継続して利用している会員さんや、入会したばかりの会員さんなど、日々さまざまな形でご利用いただいています。どのような会員さんがどのような働き方をしているのか、「調布に暮らし、コワーキングスペースを利用するという働き方」をテーマに、運営スタッフを交え、座談会を開催しました。

参加者
株式会社ブイツー 谷村大輔さん(左) 2018年11月入会
株式会社Grune 伴明彦さん(中央) 2022年5月入会
非営利型株式会社Polaris 篠宮悠子さん(右)
(以下、敬称略)

 

毎日出社するオフィスとして 法人の住所利用として

 

-現在の仕事内容と、co-ba CHOFUをどのように利用しているか教えて下さい。


(伴)システム開発会社を友人と経営していて、クライアントへの提案営業やコンサルティングなどをしています。仙台に本社があって、東京とインドネシアのバリに拠点があり、現在東京は自分一人です。コーバには毎日始業9時の前に来て、本社からの始業連絡を受けるようにしています。席もほぼ定位置に座り、PCの位置なども決めていて、オフィスに通うように利用しています。社内外とのオンラインミーティングも多いです。

ほぼ毎日co-ba CHOFUで仕事をする伴さん

 

(谷村)プログラマーをしていて、10年ほど前にゲーム開発の会社を起業しました。今は知的財産を扱うことが増えたので、仕事は在宅で行っていて、コーバで作業することはほぼなく、法人登記の住所利用のみです。コーバで開催されるイベントには積極的に参加しています。

登記利用のみでco-ba CHOFUを利用する谷村さん

 

(篠宮)コーバの運営母体である非営利型株式会社Polaris(ポラリス)のメンバーとして、コーバの運営統括や新築マンションの自治会運営支援など、コミュニティづくりの事業を担当しています。コーバには週1~2回のシフトと、併設しているポラリス事務所での業務の時に来ています。

co-ba CHOFUの運営を統括する篠宮さん

 

調布に暮らし、コワーキングスペースを利用するという働き方を選んだ理由


-今の働き方を選んだ理由を教えて下さい。


(伴)2年くらい前まで、クライアントを訪問しやすいよう、都心にオフィスを借りて通勤していました。コロナ禍でクライアントを訪問する機会が激減し、オンラインでのコミュニケーションが定着したので、オフィスを引き払って、自宅から近いコーバを利用することにしました。一緒に経営する仙台の友人はオフィスすぐのところに住んでいて、「自宅と都心の通勤時間は無駄なのでは」という言葉も後押ししました。

(谷村)ゲームが好きで、プログラミングの会社やゲーム会社に勤めた後、フリーランスになって主に自宅でプログラミングをしていました。法人化し、登記場所を探している時に、移転前のコーバを見つけて入会しました。その頃は趣味としてのプログラミングなどもしていたので、気分転換かねてコーバで作業することもありました。最近は周囲に人がいるところでは作業ができなくなり、コーバが使えず残念に思っていますが、代わりにイベントには参加しています。特にお酒が好きなので、お酒があるイベントにはほぼ全て参加しています。

(篠宮)子育てを機に地域活動に携わるようになって、ポラリスに出合いました。ポラリスは業務委託で仕事を請け負うスタイルで、委託の幅を広げているうちに、会社の運営や経営企画に携わるようになりました。働く時間や仕事量を自分で決められる業務委託という働き方が、今の生活スタイルに合っていると思い続けています。

終始、和やかな座談会

 

調布の魅力は自然豊かで生活しやすく、飾らない人々が暮らしているところ


-伴さんも谷村さんも調布に長年住んでいらっしゃるそうですが、調布の魅力はどんなところですか。

 

(谷村)友人を頼って上京して調布に住んだのですが、生活するのに便利です。スーパーなども充実しているし家電量販店もあるし、周辺に面白い酒屋やイベントもあって楽しいです。

(伴)自然が豊かなところが気に入っていて、公園や深大寺なども好きです。趣味のスケートボードができるところも何カ所かあって、味の素スタジアム周辺には子どもが楽しめるスポーツ施設がたくさんあるのもいいですね。

(谷村)私も自転車で公園巡りします。トリエ調布が発行しているサイクルマップを活用したりしているのですが、そういう取り組みがあるところもよいところです。

(篠宮)生まれ育ちも現在住んでいるのも隣の狛江市なのですが、調布は尖っていなくて穏やかな日常がそこにある感じがして、暮らしやすそうだと感じています。

(伴)コーバは飾らない人が多い気がします。都心のシェアオフィスなどに行く際は、自分自身が少し身構えてしまうところがあります。コーバはこの地域が好きな地元の人が集まっているので、温度感が近い感じも心地よいです。

自然豊かな調布

 

調布でのコワーキング生活は通勤がなく効率的 さまざまな業種の人たちと交流できることもメリット


-調布に暮らし、コワーキングスペースを利用するという働き方のよい点を教えて下さい。

 

(伴)通勤時間が減り、ミーティングもオンラインがメインになったことで、時間管理がしやすく、効率が上がったと思います。そのおかげで体調管理もしやすくなったのが大きなメリットです。

(谷村)特に暑い時期は通勤電車に乗るのが苦痛ですよね。郵便物をすぐに取りに行けて、さらに面白いイベントを企画してくれる場所が徒歩圏内にあるというのはとてもありがたいです。イベントは普段関わりのない業種の人たちの話を聞けるので、それがとても新鮮で楽しいです。


-逆に悪い点はありますか。

(伴)都心に新規開拓しに行くことについては消極的になっていて、そこは若干課題かも知れません。

(谷村)移動が少ないので、運動不足になりがちなところですかね。意識的に運動するようにしていて、週末は多摩川の河川敷をランニングしています。

(篠宮)電車移動の時間は切り替えの時間になったりすると思うのですが、そのあたりはどうしていますか。

(伴)切り替えの時間もルーティーンにしています。休憩の時間を決めていて、19時以降や週末は仕事しないことにしています。週末にコーバの近くを通ることもあるのですが、スイッチを切り替えているので、仕事のことを考えることはなくなりました。

co-ba CHOFU会員を募って参加した調布駅伝には谷村さんも参加

 

今後の働き方について考えていること


-今後について考えていることがあれば教えて下さい。

 

(伴)東京支社を拡大するとなったらコーバから離れなければならないかも知れませんが、許される限り、最善だと思っている今のこのスタイルを続けたいと思っています。


(谷村)ちょうど今、仕事の区切りがつき、調布に住み続けるのかも含め、今後について考えているところです。コーバのイベントなどでさまざまな方々と会って、働き方を聞いて、自分の人生を考えるよいきっかけになっています。

(篠宮)コーバは働き過ぎないゆとりを大切にしてほしいとの思いで、リラックスもできる小上がりを作っています。人生や暮らしについても考える場にしてほしいという思いがあるので、谷村さんはそういう意味でも活用して下さっていてうれしいです。

(伴)コーバに滞在している間は、仕事のことを考えて気が張っていることが多く、他の会員さんとあまりコミュニケーションはできていないですが、調布に永住するつもりなので、調布についての情報交換はしたいと思っています。

(篠宮)コーバは「はたらく」と「暮らす」をミックスし、「心地よく暮らし、はたらく」ことをコンセプトにしているので、ぜひ暮らしの情報交換の場としても使ってもらえたら。

座談会を終えて


今回の座談会では、異なる利用スタイルを持つ2人の会員さんと運営スタッフという、普段にはない顔合わせでしたが、終始和やかな笑いが絶えない雰囲気の中でお話を伺うことができました。それぞれの働き方や視点は異なるものの、「調布」や「co-ba CHOFU」という共通のキーワードを持つ同士。キーワードというより、「調布に暮らし、コワーキングスペースを利用するという働き方」を選んでいるという価値観の近さによる安心感のようなものかも知れません。


co-ba CHOFUは単なる「働くための箱」というだけでなく、人と人を繋ぐ場、安心していられる居場所であることも再確認する時間になりました。この座談会が、参加者だけでなく、この記事を読んだ方々にとっても共通のキーワードになり、新たなつながりが生まれるきっかけとなれば幸いです。

(聞き手:つちだ)