経営者とエンジニアと教育者の三刀流で、エンタメを楽しむように経験値を積み重ねる  Geek Hive株式会社代表 鈴木浩章さん

  • 2025/08/08

京王線調布駅から徒歩1分にある会員制コワーキングスペース「co-ba CHOFU(コーバ チョウフ)」には、様々な仕事をしている人たちが日々集まっています。

いったい、どのような人たちがco-ba CHOFUを拠点に働き、暮らしているのでしょうか。

Vol.18は、ITシステムの経営者とエンジニアと教育者の三刀流をこなす鈴木浩章さんに、現在の仕事や、co-ba CHOFUの利用の仕方、今後やりたいことについてお話を伺いました。

 

ガラケーのアプリ開発から、経営・開発・教育の三刀流へ

―現在のお仕事について教えてください。


現在は、ITシステム開発企業「Geek Hive株式会社」の代表を務めています。Webサービスやアプリ開発をはじめ、UI/UXのデザイン、エンジニアやデザイナーの技術提供、eラーニングシステムの構築などを手がけています。
システム開発の技術者は、スキルが高い人ほど教えるのが苦手なことが多いのですが、教育分野にも関わってきた経験から、開発力だけでなく、コミュニケーション力にも重きを置いて事業を展開しています。経営者、エンジニア、教育者という3つのスキルセットが自分の強みだと感じています。

 

―これまでどのようなキャリアを積まれてきたのですか


大学でシステム工学を専攻して、新卒でモバイルゲームの開発会社にエンジニアとして入社しました。当時はガラケーのアプリ開発最盛期。占いや恋愛系のアプリが人気で、プログラミングに没頭する日々でした。


その後、教育分野に興味がある同期と一緒に、オンラインのプログラミングスクールを起業しました。自分自身は教育分野に関心はなかったのですが、「起業を経験できるなら面白そう」と思い、CTO(最高技術責任者)として参画しました。プログラミング教育が義務教育になるずっと前のことです。
カリキュラムや教材を独自に作成して、講師として授業もしていました。講師の採用やトレーニングにも関わるうちに教育分野にも興味がわき、大学の非常勤講師として約5年間、教壇にも立ちました。


そうした実績が、とあるITコンサルティング会社の目にとまり、会社を売却しました。その頃副業で請け負っていたシステム開発の依頼が増えていたので、それを柱に2019年にGeek Hive株式会社を設立しました。2年前には、デジタルエンタメ企業Brave groupに買収され、今はグループ子会社として事業を続けています。

Geek Hiveのホームページ

 

調布がホームタウン。街になじみ、エンタメを楽しむように働く

―co-ba CHOFUに入会した経緯を教えて下さい


co-ba CHOFUに入会したのは約7年前、今の場所に移転する前です。プログラミング教育の会社の頃から基本的にリモートワークで、調布駅周辺のカフェを転々としていました。猿田彦やスタバの混雑状況や電源の位置を熟知していて、「この時間ならこの席」という「カフェマスター」になっていました。店員さんにも「今日は違うメニューですね」と声をかけられるほどでした。


でも、長時間居座るわけにもいかず、ちょっとした外出の時も荷物を置いておくこともできず、席の確保や電源探しに悩まない拠点がほしいと思って見つけたのがco-ba CHOFUでした。今となってはリモートワークが一般的になり、「ようやく時代が追いついてきた」と感じています。co-baが移転して駅から近くなり、雨の日でもほとんど濡れずにたどり着けるのもありがたいです。

 

―どのようにco-baを利用していますか


毎朝7時に調布駅のスタバに開店と同時に入って仕事を始め、9時半頃co-baへ移動して仕事。夕方にはコメダに移動して別のタスクをこなす、というのがルーティンになっています。中でも最も長い時間を過ごすco-baでは、日中帯に集中してプログラミングすることが多いです。仕事をする場所を変えることで、気分の切り替えになるので、それぞれの場所で異なる仕事をするようにしています。

朝のスタバで最初にその日のスケジュールを組み立てます。自分の時間を30分単位に細切れに区切ることで、「この時間内に終わらせよう」と集中しやすくなるんです。逆に集中していると休憩を忘れてしまい、夕方には疲れて帰りたくなったりするので、視覚的に分かるタイマーや通知機能を活用して、休憩時間もあらかじめ確保しています。

視覚的に分かるタイマーを使って仕事する鈴木さん

 

―休憩時間は、どのように過ごされていますか


休憩中には調布駅前を一周したり、近くの畑を散歩したりすることが多いです。時間に余裕がある時は布多天神社や深大寺まで足を伸ばすこともあります。もともと歩くのが好きで、2駅隣の自宅から調布駅まで歩いて来ていた時期もありました。


時には映画を観に行くこともあります。すぐ近くに映画館があるというのも、co-ba CHOFUの魅力の1つですね。
ランチは、駅前のスーパーで食材を買って自宅に戻って自炊することもあります。フライパン1つでできるレシピや、時短クッキングなどを楽しんでいます。

co-ba CHOFUから徒歩3分、イオンシネマ シアタス調布が入るトリエ京王調布

 

―co-ba CHOFUは週6日くらい利用されていますよね


プログラミングは、経験値を積むことでスキルが身につきます。ゲームと同じで、かけた時間に比例してレベルアップしていきます。今では開発そのものが、自分にとっての「エンタメ」になっていて、時間が空いたらNetflixを観るような感覚で、時間があればプログラミングしています。なので、土日含めco-baにいる時間が長くなっています。

 

―co-ba CHOFUを利用する働き方はいかがですか

 

co-ba CHOFUを利用するようになって、調布の街がホームタウンになりました。ランチする店、散歩コース、休憩場所、買い物する店など、なじみのスポットが増えたことで、迷ったり緊張したりすることが減り、余計な選択や疲れを感じることがなくなりました。おかげで仕事により集中することができているのだと思います。


ただ慣れているホームタウンであるがゆえに、刺激が少ないということでもあって、考え方が凝り固まってしまう感じがするので、それは課題だと思います。会社では週1日、田町のオフィスに出社していて、調布以外の場所に行くことで新しい刺激を得るようにしています。


またco-baには同じような自由な働き方の人も多く、ハードワークしている方々の姿を見ることは、日々の良い刺激になっています。

 

これからの挑戦と、地元への想い

―今後、取り組みたいことはありますか


今後は、AIなど新しい分野に挑戦したいと考えています。

もう1つ、地元の愛知県田原市で、自分のスキルを生かした事業を立ち上げたいと思っています。通っていた保育園がなくなり、地域の衰退を感じるようになりました。田原市は農家が多い地域なので、農家支援のシステム開発などを考えてみたり、日本酒づくりにも興味があったり。まだ具体的ではないですが、地元の力になれるようなことを実現したいと考えています。

会員さん同士で本を貸し借りできる「co-ba 本棚」の鈴木さんの箱

 

インタビューを終えて


co-ba CHOFUの古参会員の1人で、利用時間としてはおそらくナンバー1の鈴木さん。満を持しての登場でした。いつも頻繁に出入りされているのは見かけていましたが、それが綿密に計算された時間術だったとは。30分単位でスケジュールを組む。視覚的に分かりやすいタイマーで集中する。疲れないなじみの街で働く。役立つ工夫が満載でした。


自由に時間を使えるイメージがあるコワーキングスペースを使った働き方ですが、「時間をどう使うか」を突き詰めてこその働き方なのかも知れないと思いました。
まずは毎朝、細かくスケジュールを立てるという基本のキから真似してみようと思いながら、早数週間。今度、そのマインドセットの整え方を教えていただきたいと思います。

 

co-baCHOFUでは、さまざまな職業の会員さんが、それぞれのスタイルで場所を活用しています。
これからも、そんな働き方のヒントが詰まった会員さんのストーリーをお届けしていきたいと思います。
次回もお楽しみに。(聞き手:つちだ)