京王線調布駅から徒歩1分にある会員制コワーキングスペース「co-ba CHOFU(コーバ チョウフ)」には、様々な仕事をしている人たちが日々集まっています。
いったい、どんな人たちがco-ba CHOFUを拠点に働き、暮らしているのでしょうか。
Vol.10は、店舗を持たずにWEB中心に花業界でご活躍されている「Mawi」の木下雄登さんに、「今の仕事について」「co-baでの過ごし方」「co-baってどんな場所?」「これから挑戦したいこと」の4つの質問を軸に、お話を伺いました。
Mawi(マーウィ) という「花の価値をより多くの方により深く伝える」会社を経営している木下雄登です。
事業は、個人向けのお花の定期便、法人向けのオーダーメイドお祝い花、オフィス向けの装花、企業のサービスに対して花を使ったブランディングや顧客コミュニケーション、採用活動のお手伝いをする等、多岐に渡っています。
共通点があるとすると、「もっと花の価値はこうすれば伝わる」「もっと花はこう役立てることができる」と思える場所にサービスを提供しています。
最近あった具体的な企業サービスでは、ロート製薬さんの特別なお客さまに向けたギフトの制作や、あるベンチャー企業の入社式で、新入社員それぞれのイメージにあったコサージュの制作などがありました。
また、花業界の労働力に頼るビジネスモデルに課題感を持っているので、店舗をもたずWEB中心で、全て受注生産でロスを生まない形式でサービス提供をしていることも会社の特徴だと思います。
高3の夏休みにイギリスに語学留学をしたのですが、その時に語学学校のカフェでバイトしていたイギリス人の女の子に一目惚れしてしまって。
ただ、あまり英語も話せず、アプローチしたくてもうまくできませんでした。
帰国の日も迫ってきた中で、花屋を見つけました。
日本にいたら恥ずかしくてできなかったかもしれないけど、海外だったので気持ちも大きくなっていたのか、えいや!っと花を買って贈りました。
そしたら典型的な海外映画の女の子みたいな凄いリアクションで喜んでくれて。
周りには茶化されるかなと思ったのですが、拍手して祝福してくれました。
その子とはその日の内にデートに行くことができました。
その時に、花はモノではなく、とても素敵な体験なんだなということを知って花が好きになりました。
それ以降は大学時代に花屋でバイトしたりして現場を学んでいました。
ただ、花業界の人の労働力に頼ったり労働時間が長かったりするビジネスモデルに課題も多かったので、一度別の場所で修行しようと思い、fintech系のベンチャーで働きました。
数年働く中で、花への想いが止まらなくなり、そのイギリス人の女の子の名前をつけた会社を創業しました。
co-baでは主にデスクワークを中心に行っています。
現在弊社のコアメンバーは役員と私の2人なので、花の制作、仕入れに関する交渉、顧客コミュニケーション、EC構築やWEBマーケ、バックオフィスなど、あらゆることを自分たちでやっています。
店舗運営ではなくデスクワークが多い会社なので、集中したい時・しっかり考えたい時・スピーディーに作業したい時にco-baを利用しています。
花の梱包作業などは自宅でしかできないので、それらの作業があるときは、自宅兼事務所で仕事をしています。
週に3~5日程度利用していて、外出の用事などなければ朝9時から22時まで滞在しています。
調布駅は駅前がとても広く、子ども向けの遊具があって子どもが遊んでいたり、飲食店が充実している調布パルコやトリエ京王調布があったり、ベンチもたくさんあって、駅前に滞在したくなるような心地よい活気があります。
休憩時には、ベンチで座って人の流れを眺めたり、なんとなくパルコやトリエを歩いたりしています。
デスクワークが中心なので、駅前で人の活気を感じたりデパートでの人の行き来を見たりすることで、思考をリフレッシュしています。
特にお気に入りのランチのお店は、甲州街道沿いにある「茶房 幸泉(さち)の家 」です。昭和レトロな雰囲気で、スタッフさんもとても丁寧で気持ちよく、訪れると背筋がピンと伸びます。1000円の日替わりランチがおすすめです。
また、co-baのすぐ近くに大きい図書館(中央図書館 )もあるので、たまにフラッと寄って気になった本を手に取ったりもしています。調布は水木しげる先生の第二の故郷でもあるので、鬼太郎の漫画が多くあり、それを読んだりもしています。
子どもの頃にアニメは見ていましたが、原作の漫画がこんなにも凄いインパクトある作品だと知りませんでした。独特な死生観とギャグセンスがおもしろいなと思い、色んな作品を読んだり、鬼太郎ひろば に行ったりもしました。笑
調布での印象的な出会いのひとつになりました。
休みの日は個人系の呑み屋に行ったり、ウォーキングしつつお風呂に行ったりしています。
調布は近くに湯守の里 という落ち着いた温泉、深大寺や神代植物公園、多摩川もあります。ウォーキングやランニングには事欠かない場所なので、リフレッシュしやすいです。治安もとても良いので、安心してぶらぶらできますね。
昔は都心で騒がしい場所に飲みに行くことも楽しかったのですが、年齢的にもコロナという情勢によっても楽しみ方が変わってきており、その中で調布はとてもフィットしました。
お花を仕入れる市場が世田谷区にあるので、そこに近いことも調布を居住地に選んだ理由の一つですね。花屋の朝はとても早いので。
自然で人らしい働き方ができる空気感はco-baにしかないと感じます。
コロナ前からリモートワーク中心だったので、ワーケーションやコワーキングスペースで仕事することは多くありました。
ただ、多くの場所は自分と自分以外に断絶感があり、その空間の中に自然に存在しているという感覚がなくて。断絶された個が人工的で無機質な空間に点々とただ存在する感じで、不自然さと居心地の悪さを感じていました。友人があるコワーキングスペースについて「独房のようだ」と言っていましたが、まさにそんな感覚ですね。
とはいえ実際にコワーキングスペースでは他者とはつながりがないし、その土地に何か縁を感じるようなこともなく、あくまでサービス提供者とユーザーの関係でしかないので、まぁそんなものかなとも思っていました。
その中でco-baは、運営の方々の日々の雰囲気づくりや意識が素晴らしく、すごく自然な空気感があります。
自分は人と距離が近過ぎると疲れてしまうこともあるのですが、そのバランス感も素晴らしくて、人とのつながりがありつつも疲れることがありません。
日々の挨拶やちょっとしたことで他会員さんとの軽い会話を促してくれたり、お客様扱いするのではなく「一緒によくしましょう」というスタンスなので、ただ無機質にコワーキングスペースをつかっている感覚ではなく、「自分もここの一員なんだな」「自分がここにいていいんだ」と感じることができています。
地続きに自分が自然に存在している感覚というか。他人なんだけど、他人じゃない感じというか。
店舗やオフィスをもたずにリモートで働く自分にとっては、そういった「居場所」の重要性を再確認できました。
自宅でも集中して仕事はできるのですが、毎日パソコンに向かってWEB中心で仕事をしていると、どうしても気持ちが内に向かっているなと感じることがあって課題に感じていたんですね。
外にいるお客さんに向けてサービスをつくっていくのに、そっちに向いていないというか。
co-baで仕事をしていると、ちょっとした挨拶や会話、なんなら他の人が会話しているのが耳に入ってくるだけで、ふとした拍子に「あ、人ってこんな感じだから、こういうサービスにした方がいいかな」とか思いつくことがあります。これは自宅で一人で仕事しているとなかなかないですね。
また、調布という場所とのつながりや地域への意識も感じるようになりました。
co-baのコミュニティの一員という感覚の延長線上なのかもしれません。今まで東京都心ど真ん中みたいな場所でしか働いたことがなかったので地域への意識は希薄でしたが、初めて意識するようになりました。
調布という場所が良くなれば、自分も楽しいだろうな嬉しいだろうなという感覚があります。
まだ自社の事業はそういったことに貢献はできていませんが、会社が大きくなる中で地域への貢献をしたいと思うようになりました。
ミッションを実現していく事業をつくりつつ、収益の柱をつくっていくことが命題です。
花は生き物を扱う上に、とても収益性が低く、ビジネスとしては本当に難しい領域だと感じています。
それでも自分の好きな花で、高い価値を提供しながら高い収益性も実現し働く人が豊かになる、そんな状態を実現していきたいと思っています。
まだ正社員をがんがん増やすという段階ではないのですが、WEBマーケなどITサービスで必要な領域が得意な方がいたら、お力貸してくれると嬉しいです!
また、企業さんに花でお力になれることは思ったより様々な面で在るので(ブランディングやCRMなどなど)、何かあればお気軽にご相談ください!
co-baCHOFUでも木下さんにお花の定期便をお願いしているのですが、毎月ため息が出るほど素敵なお花を届けていただき、私たちや会員さんの癒しになっています。
毎回初めて見るお花も多く、私たちも活け方や手入れの方法を聞いたり、他の会員さんともお花があることで、会話のきっかけになったり。
今回、木下さんの話を聞くことで、ここco-baでも気づかないうちに、花があることで、コミュニティーが生まれ、ここにいる人たちの“体験”が生まれていたのだなーと感じました。
これからも木下さんには、たくさんの人に素敵な体験を届けてほしいなと、心から応援したくなりました!
それでは、次回インタビューもお楽しみに。(chika)