食のスタートアップ!クラフトチョコレートメーカー「Minimal」の立ち上げ方【JINNAN-SHADOWING】

  • 2019/05/22

こんにちは!co-ba jinnanです。
先日、第一回目のJINNAN-SHADOWINGを開催しました!

JINNAN-SHADOWINGとは、co-ba jinnanが主催するスタートアップ向けのトークイベント。
主にスタートアップにとって必要な知識や、先輩からの経験を学ぶ勉強会です。

記念すべき第一回のゲストは、“Bean to Bar Chocolate”専門店「Minimal」代表の山下さんにお越しいただきました!

“Bean to Bar Chocolate”専門店「Minimal」とは?

カカオ豆の個性を活かし、カカオ豆本来の味わいや香りの表現に徹底的にこだわるクラフトチョコレートメーカー。世界中のカカオ農園に直接足を運び、品質の良いカカオ豆を選び仕入れ、自社工房でカカオ豆から板チョコレートができるまでの全工程を管理し製造する “DtoC” ブランドです。
https://mini-mal.tokyo

それだけではなく、

●広告費を使わず1,500媒体のメディアへ掲載
●初年度から黒字を達成
●インターナショナルチョコレートアワードで日本ブランドとして初の「金賞」を受賞。

などなど、設立以来、数々の実績を挙げている異例のチョコレートメーカーなんです。

Minimalがここまでの成長を遂げた背景には、熱い情熱と戦略がありました。
資金も知名度もないスタートアップが、いかにプロダクトをデザインし、ブランドをつくってきたのか。

今回はMinimalを運営する「株式会社βace」代表・山下さんに、
・事業の立ち上げ方
・ブランドの作り方
を中心に、スタートアップ向けにお話いただきました。

各トピックごとにまとめてお届けします。

山下貴嗣(やました たかつぐ) 
Minimal -Bean to Bar Chocolate- 代表/株式会社Bace 代表取締役
201412月にクラフトチョコレートブランド「Minimal -Bean to Bar Chocolate-(ミニマル)」を設立。現在都内に5店舗1工房を展開。カカオとチョコレートというプリミティブな産業構造にイノベーションを起こすべく、年間4か月強は、赤道直下のカカオ産地に自ら足を運んで、良質なカカオ豆の買付と、農家と協力して毎年の品質改善に取り組む。設立3年で世界最高峰のチョコレート国際品評会で部門別最高金賞を日本ブランドで初受賞。サブスクリプションモデルの導入など、クラフトマンシップとスケーラビリティの両立を追究する。
https://mini-mal.tokyo
チケットは完売!会場は参加者50名の熱気で包まれていました!

なぜ「チョコレート」?

実は、チョコレートは和菓子を除くと日本で一番消費されているお菓子。またグローバルでの市場も大きく、その7割が世界的にも一番お金のある地域・欧米で消費されているため、チョコレート市場に目をつけた。(また、海外にも目を向けたのは今後の日本を考えた時に人口減少による内需が減ることが避けられないという理由から)

古い業界構造にスタートアップのチャンスがある

業界構造が固まっているところに、新しい形で入っていくというのは1つのヒントになるかもしれない。
Minimalでいうと、従来のように単純にカカオを輸入するのではなく、仕入れから販売までの全行程を自社で管理し製造している。

自らカカオ産地まで足を運び、買い付けや値段交渉を自ら行うことで良質なカカオ豆を仕入れることに加え、現地の農家と直接コミュニケーションを取りながら協力することで品質改善にも取り組んだ。今でも1年のうち4ヶ月は赤道直下のカカオ産地に足を運んでいる。ここまでやれば誰もやりたがらないので、参入障壁となりうる。

大手は既存の構造の上で利益が成り立ってしまっているので、作り変えるのが大変。ここがスタートアップにとってチャンスとなるところだと思う。

初期のマーケティングで気をつけることは?

初期のマーケティングでは、他との違いを認知させるために、違和感を設計することが大切
Minimalでは、違和感の設計のためにあえて食感のザクザク感をつくった。リリース初期で名前は覚えていなくても、違和感を覚えてくれれば、「名前は分からないけど、あのザクザクのやつ」として記憶に残る。その違和感が心地よければよいほど、良い状態で覚えてもらえる。

広告費0円で1500媒体以上に露出できた理由は?

時流としてBean to Barが来ることが分かっていたから、そこで先駆者的なポジションが取れたことが大きい。
メディアに取り上げられる上では、市場が立ち上がった時に認知No1を取ることはとても大切。

また、問い合わせや取材の際には、メディア担当の方1人1人にしっかり丁寧に説明する。1時間くらいかけて全プロダクトを説明していた。自社ブランドやプロダクトについての理解を深めてもらいファンになってもらうことで、はじめは小さなスペースかもしれないけれど、その後大きなスペースでの掲載になることが多かったし、そうやって少しずつ増えていった。

ブランドのストーリーづくり

Minimalでは、チョコレートではなく、「チョコレート体験」を売っている。コンセプトや製品・店内デザイン、届け方などを全て合わせて「Minimal」というブランド。その上で、ストーリーがとても大切。

ブランドのストーリーを時系列で説明することで、聞いてくれた人が色々な切り口で紹介してくれるようになる。
ストーリーを考えるタイミングで、重要視していたポイントは、まずゴールを明確にすること。その線上で、各項目のゴールはなんだっけ?と1つ1つをゴールに近づけていく。

デザインの品質を保つために

自分たちのお客さんからずれないようにすることをとても大切にしている。直接お客さんに聞いて、一緒に作っていく。
その際、軸を決めてずらさないということが大切なので、デザインジャッジは1人に集約した。

商品の入り口と出口は絶対に代表である自分が判断している。
社長は品質において一番大切なことを知っていることが重要で、適切な判断をするために誰よりもインプットする。
自分の領域では、好き嫌いせずに全て知る。品質の番人であることは絶対に諦めてはだめ。

 

講演のあとは

講演のあとはMinimalのチョコレート試食&販売会も始まり、多くの方が購入されていました。

チョコを手に入れてご満悦な様子!
味のバリエーションも豊富なMinimal。その場で食べ比べも!
イベント終了後も、山下さんの周りは質問をしたい方でいっぱいに!
まだまだ学びたいという熱心な皆さんで盛り上がっていました。
参加者同士の交流も!

山下さん、ありがとうございました!

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