co-ba koriyama 起業家インタビュー2020春①福島eスポーツ推進協議会代表 中河西宏樹さん

  • 2020/03/13

2020年2月から3月まで、インターンシップ生として活動した池田明日香さんと富永実穂さん。

インターンシップ期間中co-ba koriyama利用者の方、郡山で起業された方や郡山市の起業家支援に取り組む行政の方にインタビューをしていただきました。

eスポーツを文化にしたいと語る中河西宏樹さん。

カーリースやレンタカーなど車関係の事業を行う傍ら、郡山市清水台のビルを買い取って、「eスポーツスタジアム郡山」を開設しました。

eスポーツスタジアムは利益にならない、と言いながらも立ち上げに力を入れる中河西さん。そのモチベーションの秘密に迫りました。

 

 

目的は若者のための場作り

―eスポーツスタジアムを立ち上げるきっかけは何だったんですか?

自分はもともと車を直す仕事をやっていたのですが、これから事故を起こさない車が増えていく中で、自分の仕事がなくなると直感しました。他の仕事も同じです。仕事がなくなると、若者は郡山から出て東京へ行ってしまいます。若者がいないと経済は止まります。若い人たちが残ってくれないと困るっていうのが見えたから、eスポーツで若い人たちのコミュニティ作りをしようと思ったのが始まりです。

―ということは、eスポーツは若者が残る場を作るツールなんですね。

そうです。根本は若い人たちがどれだけ楽しめる場所を作れるか。郷土愛を育みながら地元に残って変えていきたいっていう人を1人でも多く作ることが価値になるのかな、と思っています。若い人たちが生き生きと生活していれば必ずそこにビジネスが生まれます。今お金が入ってこなくても、後々入ってくると見ています。

 

17歳のときの自分へ

−どうしてeスポーツにしたのですか?

eスポーツは若い人たちに人気があって競技人口も多いから、若い人たちを集めるには最善策かなと思いました。

−ご自身はゲームがお好きなんですか?

子どもの頃は3日間寝ないでゲームをするくらい好きでした。ですが17歳くらいになって、仕事や社会と結びつかないゲームに費やしている時間って無駄だなって思い始めたんです。でも初めてeスポーツの世界大会を見たときに、ゲームが社会で認められていることを知って感動しました。20年前にはこんな世界が見えていませんでした。だから17歳のときの自分みたいな子どもたちに、ゲームが社会と繋がっていることを伝えたいな、と思っています。

 

乗り気じゃなかった地域クラウド交流会だけど

−7月に行われた地域クラウド交流会(ちいクラ)に参加されて、変化はありましたか?

とても変わりましたね。人前で話すと引き下がれなくなるから、正直最初は乗り気ではありませんでした。ですが、ちいクラに来ている人たちはみんな「応援したい」という気持ちで来ているから、積極的に関わってくれるし意欲がすごいんですよね。そこで知り合った人がいなければ、今の形まで進んでいないと思います。プロジェクトが加速しました。

 

子どもが社会に興味を持つ場に

―1月にeスポーツのイベントを開催されていましたが、手応えはいかがでしたか?

場所としての可能性を感じましたね。小学生とプロがいい勝負をするんですよ。若い子たちは集中力がすごいからゲームの戦略を全部吸収できます。ゲームで養われる探究心や集中力、判断力は社会で生きる力になります。それに、ゲームのコミュニティは年齢が関係ありません。大人と話すことで、子どもが社会に対する興味を持つ場になると思います。

 

世界中の人が交流する場に

−今後の展望を教えてください。

まず1月に成功したクラウドファンディングで集まったお金で2階を改装します。3階はアパートなんですけど、プロを目指す子達に住んでもらえたら最高な形だなあと思っています。4階にはゲストハウスを作って世界中のゲーマーに泊まりに来てもらって、利用者とコミュニケーションを取ってもらえれば面白いだろうなあと考えています。

 

 

淡々と、しかし熱くお話してくださった中河西さん。

目先の利益ではなく将来の郡山を考えてプロジェクトを構想する姿がかっこよかったです。

インタビューの翌日、eスポーツスタジアム郡山でイベントがあったのでインターン生2人でおじゃましてきました。

アットホームな雰囲気で、小学生から大人まで幅広い世代の方がゲームを通して交流していました。私たちもゲームをすることでより中河西さんたちと仲を深めることができました。

駅前ということで通りがかる人や信号待ちの車からeスポーツスタジアム郡山を覗き見る人が何人もいました。中河西さんは、どうやってこの場所をもっと入りやすい場所にするかが課題だとおっしゃっていました。

 

クラウドファンディングが成功して勢いに乗るeスポーツスタジアム郡山。

今後どのように人を巻き込んでいくのか、郡山の若者が集う場として目が離せません。

中河西さん、インタビューを受けてくださってありがとうございました!