co-ba koriyama 起業家インタビュー2020春②富田学院 藤倉祐太さん

  • 2020/03/13

2020年2月から3月まで、インターンシップ生として活動した池田明日香さんと富永実穂さん。

インターンシップ期間中co-ba koriyama利用者の方、郡山で起業された方や郡山市の起業家支援に取り組む行政の方にインタビューをしていただきました。

週に2日、夕方になるとco-ba koriyamaに小学生が現れます。

藤倉祐太さんはco-ba koriyamaで小学生を対象とした塾を開講していて、その内容はプログラミングや筋トレ、瞑想など多岐に渡ります。

以前は中学校で理科を教えていた藤倉さんが、独立して最新の教育を実践する理由に迫りました。

 

主体的な学びと習慣を作りたい

―今のお仕事の内容を教えてください。

学習塾とプログラミング教室を合わせた総合学習塾を展開しています。今は7人の小学生に教えていますが、4月からは幼稚園生向けの授業も開講する予定です。

―具体的にはどんな授業をしているのですか。

アルファベットを習っていない小学3年生までの生徒はカードやブロックでプログラミングを学びます。4年生以上の生徒はパソコンを使ってプログラミングを学びます。プログラミングをすることで論理的な思考能力や想像力を身につけることができます。他にも筋トレや瞑想を取り入れています。

―塾の授業で筋トレや瞑想?

筋トレは座り続けている子の血の巡りを良くし、心肺機能を強くしたり脳に血流を回したりする効果があるとされています。瞑想の効果は自制心の増加、集中力の増加、ストレス軽減の3つですね。

―塾は学校の授業についていくために行くイメージがありますが、藤倉さんの塾は子どもの力を高めるためにあるような感じがしますね。

そうですね。自分に合った勉強の仕方を学んで欲しいと思っています。例えば小学4年生のお子さんで歴史を勉強したいと言う子がいました。小学4年生だと地域史くらいしかしないので物足りないらしく、その子は今中学1年の内容の歴史を勉強しています。また、郡山ではくもん教室が人気なんです。それは勉強の習慣を作ることが大切にされているからです。私自身も、学力をつけるというよりは主体的な学びと習慣を作ることを大切にしています。

 

既存の塾でも学校でもない、新しい教育機関を

―教育に携わる仕事は学校の先生や塾講師など様々ありますが、なぜ起業したのですか?

学校の先生も塾講師もやったのですが、自分のやりたいことと違うなと思ったからです。自分は「何かを学びたくなったときにできない理由を並べるのではなく、どうやったらできるかを考えられる子ども」を育てたいと思っています。学生時代にアルバイトで塾講師をしていたのですが、塾は学力向上が目的だからここで働く必要はないと思いました。大学卒業後中学の理科の教員になりましたが、雑務に追われて満足いく授業ができず、その状態がずっと続きそうだなと悟って一旦やめました。民間で働いてみたいな、と思って就活していたのですが、そのときにSTEM教育(科学・技術・工学・数学の教育分野の総称で、自発性、創造性、判断力、問題解決力を養うことを目的とする教育)に出会ったんです。それでSTEM教育を取り入れた塾を自分でしようと思いました。独身だから守るものはないし、免許があればまた教場に戻れるので気軽な気持ちで始めました。

 

信頼で成り立つ塾

―なぜco-ba koriyamaで教室を開講しているのですか。

最初は店舗を持っていたんですけど、固定費がかかるから無店舗でやろうと思って公民館でやっていたんですよ。ただ公民館は選挙の時期とかは貸し切られてしまうので、毎週この時間は確保できるという場所が欲しかったんです。それでco-ba koriyamaを使わせてもらっています。

―無店舗でやるとなると保護者さんから信頼されないんじゃないかと不安になりませんでしたか。

それはなかったですね。サービスではなく人で売っているので、信頼できるなと思えば通ってもらえます。

 

50人の生徒から1万人への影響を

―今後の展望を教えてください。

最終目標は教材屋さんです。直接教えられるのはせいぜい最大50人とかで、50人教えたところで何も変わりません。効果があるとされている筋トレや瞑想は色々あるけど、民間人でそれを検証している人はいません。だからそれを実際に検証して、最も効率的な学習に役立つ筋トレ方法を商材にしようかなと思っています。50人で検証し、それを商材にしてコンテンツ化すると1万人が見て学べます。塾だと範囲が郡山や福島に限定されますが、コンテンツ化すると範囲が全国規模まで広がります。今は商材作りのために会員数を増やしていきたいと思っています。

 

 

論文や検証結果など科学ベースの授業を行いつつも、現場で大切にしていることは「生徒との信頼関係」と答える藤倉さん。郡山から全国を見据え、色んな選択肢の一つになればいいかな、と語るその姿に感銘を受けました。

藤倉さん、ありがとうございました!