高専教員がベンチャー企業で研修?!

  • 2015/10/19

はじめまして。光井周平です。普段は広島県にある高専で先生をしています。いろんな出会いがつながって今回ツクルバでの研修が実現しました。現役の高専教員がベンチャー企業で研修をする。おそらく今までになかった出来事です。読んでくださっている方からすると「なんで高専の先生がベンチャー企業で研修?」「そもそも高専って何?」といった疑問がたくさんあることと思います。このブログでは、そんなみなさんの「?」を少しずつ解決するために、これからの研修期間の日々の出来事、そこで私が感じたことをご紹介していきます。今回はまず「そもそもなぜツクルバで、そしてco-baで研修をすることになったのか」についてお話ししたいと思います。

高専って?

みなさんは”高専”をご存知でしょうか。

中学校を卒業すると多くの人は高校、そして大学へと進んでいきますが、高等専門学校(略して高専)に進むという道もあります。中学校卒業後の15歳で入学してその後5年間の専門教育を受けて20歳で卒業します。主に工学系の学科ですが船について学ぶ商船高専や経営などの学科がある高専もあります。現在は国立高専が51校、公立・私立の高専が6校あります。卒業後は就職するか大学へ編入学、もしくは高専の専攻科(2年制)に進学します。

私が勤めている呉工業高等専門学校(呉高専)は、戦艦大和をつくったまち・広島県呉市にあります。機械工学科、電気情報工学科、環境都市工学科、建築学科の4つの学科があり約800人の学生が在籍しています。駅から徒歩約10分の場所にあり、学生のおよそ2/3が通学生、残りは学校の敷地内にある学生寮で生活しています。呉高専では卒業後の進路は就職:進学が7:3くらいの割合です。

呉高専

呉高専とツクルバの出会い

呉高専とco-baを運営するツクルバの出会いは2014年。学生が自ら学ぶ意欲を持って成長できる教育環境をどのようにつくるのか、教育改革の議論が進んでいる最中でした。「学校の中に学科や学年を超えた学生のチャレンジを生み出す場を学生自らの手でつくろう」というプロジェクトとして、ツクルバと高専生が一緒になって学校内に「co-ba kure-kosen」を生み出しました。夏休み中に行われた改修作業には100名を超える学生が参加。こういった機会を学生は求めていたんだなと気付かされる出来事でした。

co-ba-kure ▲co-ba kure-kosen

呉高専の新たなチャレンジ

呉高専では今年度から「インキュベーションワーク」という新しい授業がスタートしました。
学生が学科学年を超えて様々なテーマに取り組んでいます。
http://www.kure-nct.ac.jp/incubation/index.html

私が学生と一緒に取り組んでいるのは呉市両城にある空き家のリノベーション。“石段の家プロジェクト”と呼んでいます。空き家再生、地域の活性化、まち歩き。どれもこれまでに経験したことのないことばかり。でもすごく楽しいんです。学生と一緒に地域の課題にチャレンジするっておもしろい!ということに気付かされると同時に教員としてまだまだ経験不足であることを痛感する半年間でした。

#DSCN4029 ▲学生と一緒に空き家をリノベーション

2015年の夏には高専生がインターンシップでツクルバに。学生がベンチャー企業でのインターンシップに参加するのはおそらく初めて。学生も、学校も、もっとチャレンジしようという雰囲気が徐々に生まれてきています。 そして、今回はついに教員もベンチャー企業にやってきました。

学生がもっと大きく成長する教育をするためには、教員も成長しなければならない。
学生にもっとチャレンジしてもらいたいなら教員もチャレンジしなければならない。
学生にもっと学びを楽しんでもらいたいなら教員も楽しまなければならない。

ツクルバでの研修を通じて、たくさん経験して、たくさん感じて、大きく成長したいと思います。

Profile  光井周平

1983年広島生まれ。幼少期から城好きだったことが要因で中学校卒業後に呉工業高等専門学校(呉高専)建築学科に入学。 卒業後は広島大学に編入学をして、大学院工学研究科博士課程前期、後期を経て母校である呉高専に教員となる。 専門分野は建築構造で、助教として主に木造建築に関する研究をしている。 学生とともに呉市両城の空き家再生プロジェクトに取り組み始めて以来、“場(空間)”と“そこに集う人々”が地域の活性化に どのような役割を果たすのかに関心がある。2015年10月から12月まで民間企業研修のためツクルバで活動中。