親しくしている先生が岩手大学におられることもあって、今日は1日花巻を離れて盛岡に向かいます。JR東北本線に乗って約40分。今回の旅での最北端を目指します。
岩手県の県庁所在地・盛岡市は人口約30万人、花巻市から北に約40km離れたところにあります。ちなみに花巻市の人口は約10万人です。内陸部にあるので寒そうなイメージでしたが、当日の最高気温は6度。雨が降っていることもあってさすがの寒さでした。
co-ba hanamakiのオーナー、小友さんから「盛岡に“盛岡さんぽ”っていう本を出してる人がいるから会ってみたら?」と紹介していただいて、盛岡駅前で待ち合わせ。
『盛岡さんぽ』の著者・浅野聡子さんは神戸生まれのウェブデザイナー/ディレクター。盛岡に住んだことがきっかけで盛岡が大好きになり、その魅力を伝えるべくご自身の好きな場所やものを伝えるブログサイト「盛岡さんぽ」を開設。サイトの1周年記念で出版されたのが下の本です。浅野さんが盛岡が大好きなのがよく分かる内容です。現在は東京と盛岡を行ったり来たりしながら仕事をしておられます。
盛岡駅から歩いて約10分、最初に訪れたのは光原社。宮沢賢治の有名な童話集『注文の多い料理店』を発刊した出版社です。敷地の中にはカフェ「可否館」があります。どうやら「可否=珈琲」のようです。オープンしてから40年以上が経つという店内はとても落ち着いた雰囲気です。メニューのフォントがどことなくなつかしい。
寒い外から店内に入るとあたたかさがとてもありがたい。ちょっと苦めのコーヒーを飲みながら浅野さんとお話をしました。いつしか話はデザインについて。今回の旅ではデザイナーの肩書を持つ方とお会いすることが非常に多くて「私が今までに出会ったデザイナーの98%以上はここ1か月で出会っている」と言っているのですが、デザインの大切さを実感する毎日です。
浅野さんと「デザイナーと芸術家の違い」についてお話しして、ようやくちょっと理解できたように思います。何かを人に理解してもらったり、評価してもらったりするために行う行為がデザインで、作り手、受けての双方の気持ちを汲み取ってデザインするのがデザイナー、という感じかなと。デザインには必ず対象となる“相手”がいて、作り手が作りたいものを作るだけではダメというか。言葉で書くと難しいので「それは違う!」と思われる方が多いかもしれませんが。未来のエンジニアを育てる教員としては、デザインの意義や重要性を理解して学生にきちんと伝えないといけないなと感じています。
さて、さっそく魅力的なお店を教えていただいたのですが、時間はちょうどお昼どき。続いてはイタリアンのお店に連れて行っていただきました。お店の名前は「ジョアンズ・キッチン CHATONS(シャトン)」。お店の方に聞いたら”CHATONS”はフランス語で猫のことだと教えてくださいました。どおりで店内に猫が多いわけだ。その方いわく「フランス語なんですよ、イタリアンのお店だけど」。オーナーが猫好きなんだそうです。
お昼を食べながら、今回の研修についてもお話をしました。全国のco-ba NETWORKを訪ね歩いているわけですが、実は盛岡にはコワーキングがないのだとか。これまでいくつかのコワーキングを訪れて感じているのは、重要なのは人と人との出会いだということ。都会ではどちらかというとビジネス重視かと思いますが、地方ではコワーキングのあり方も少し異なると思っています。オーナーのその地域に対する想いと、そこに集まる人たちのユニークさ、多様な人が集まるおもしろさなどによって、ビジネスにとどまらずその地域を盛り上げるきっかけになるんだと思います!などと私の考えを話したりしながら、楽しい時間が過ぎました。料理もとってもおいしかったです。
これからも盛岡の魅力をもっともっと発見して、みんなに伝えてくれるのだと思います。浅野さんが盛岡の魅力を伝える「盛岡さんぽ」は以下のURLをご覧ください。
盛岡さんぽ http://moriokasanpo.net/
☆☆☆おしらせ☆☆☆
今日お会いした浅野聡子さんが“盛岡さんぽさん(←と呼ばれているそうです)と楽しい場所をつくる会”をスタートします。盛岡在住の方も、住んではいないけど盛岡大好きな方も、ぜひチェックしてみてください!
2015年12月17日(木) 岩手県公会堂にて
第1回盛岡さんぽ会議 http://morinova.com/
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浅野さんと別れて今度は盛岡城へ。私、お城マニアなんです。そこにお城があったらどうしても行きたくて。今回の旅を通して、今までよりちょっと欲望に素直になってきている気がします。(いい意味で。)お城のことを書き始めると長くなるので今日はこの辺で。
◆きょうのみっちー日記◆
11/26(木)・雨ときどき曇り
・デザインについて話を聞けたのはとてもよかった。デザイナーの方と学生の接点をつくりたい。
・岩手大の先生に福田パン(盛岡の有名店)や地ビールのおいしいお店に連れて行ってもらった。いいぞ、盛岡。
・いわて国体のマスコットキャラクター・そばっちがかわいい。
Profile 光井周平
1983年広島生まれ。幼少期から城好きだったことが要因で中学校卒業後に呉工業高等専門学校(呉高専)建築学科に入学。 卒業後は広島大学に編入学をして、大学院工学研究科博士課程前期、後期を経て母校である呉高専に教員となる。 専門分野は建築構造で、助教として主に木造建築に関する研究をしている。 学生とともに呉市両城の空き家再生プロジェクトに取り組み始めて以来、“場(空間)”と“そこに集う人々”が地域の活性化に どのような役割を果たすのかに関心がある。2015年10月から12月まで民間企業研修のためツクルバで活動中。