仕事の舞台は宇宙!NECスペーステクノロジー株式会社 増田勇野さん

  • 2021/12/23

京王線調布駅から徒歩1分にある会員制コワーキングスペース「co-ba CHOFU(コーバ チョウフ)」には、様々な仕事をしている人たちが日々集まっています。


いったい、どんな人たちがco-ba CHOFUを拠点に働き、暮らしているのでしょうか。
「今の仕事について」「co-baでの過ごし方」「co-baを仕事の拠点に選んだ理由」「今後チャレンジしたいこと」の4つの質問を軸に、会員にお話を聞きました。

vol.5は、宇宙業界20年目!現在は海外衛星の品質保証業務担当として、NECスペーステクノロジー株式会社に勤務されている増田勇野さんにお話を伺いました。

 

今の仕事について

 

―お仕事内容について教えてください。

 

こんにちは、増田勇野です。
国際宇宙ステーションの運用管制官や種子島のロケット射場現場経験を経て、現在は海外衛星の品質保証業務担当として、NECスペーステクノロジー株式会社に勤務しています。

普段の仕事は以下の2種類です。

・海外人工衛星メーカーへ納入する機器の品質保証業務
・日米の月開発プロジェクトへの新規事業提案


―いつから、宇宙に関連するお仕事を目指しているのですか?


実は、子どもの頃から目指していたわけではなかったんです(笑)

子どもの頃から数学や生物など、理系の勉強が得意で好きだったんです。普段の遊びも、プラモデルなどの模型を作るのが好きでした。
小2くらいから電化製品を拾ってきて分解して遊ぶこともありましたかね。昔の機械はシンプルだったから、解体しがいがありました。

また、両親が色んなことにチャレンジさせてくれて、図工教室など、習い事もたくさんやっていました。

今日持ってきたこの絵は、小6の時の学校の課題で書いたものなのですが、こういった作品を母が家の中に飾ってくれていたんです。

 

―おお、すでに宇宙を描いていたのですね!

 

これは、たまたまテーマが宇宙だっただけなんですけどね。確か課題名は「自分が住みたい未来」だったと思います。この絵を描いたときは、まさか自分が宇宙業界で働くとは想像もしていませんでした。

美術館、博物館、講演会など、両親にいろんなところに連れていってもらったので、その時に知ったこと見たものが、僕の選択肢を広げてくれたのだと思います。

働くことを考えた時に、数学が得意だったので「理系かな」となんとなく決めていたものの、決め手は「人と違うことがやりたいな」という思いでした。大学は理工学部の航空宇宙工学科を選択し、そこで宇宙業界のことを詳しく知ることができ、そのまま宇宙業界を選びました。

 

―人工衛星のお仕事となると、取引先は日本だけとは限らず海外も多いかと思います。生活リズムは昼夜逆転してるのですか?

 

もちろん仕事の種類によるのですが、基本は日中での仕事が中心です。幸い、こちらのワークタイムに合わせてくれるクライアントが多く、今の会社で早朝深夜に働くことは滅多にありませんね。

 

―英語を勉強されているのは、仕事のためですか?

 

そうです。国際宇宙ステーションの管制官の仕事の時に、恥ずかしながら初めてまともに英語を勉強しました。情報収集の文献はたいてい英語ですし、必要に迫られてやっているというのはありますね。でも一番の原動力は「知りたい」を実現させるために、英語が「ツールとして必要」となっている点だと思います。

 

co-baでの過ごし方

 

僕は、英語学習と資格取得のための勉強目的でco-baを使わせてもらっています。
平日に2日間と土日で、最大で週4日来ていますね。
平日は、仕事帰りの21時頃から23時過ぎまで、土日は、英会話レッスン等の合間の待ち時間に立ち寄っています。

工場勤めですべてを在宅勤務で行なうのは難しいのですが、在宅できる仕事もいくらかあるので、週1~2日くらいは在宅で仕事をしています。

勉強目的なのと、ここに来ること自体が気晴らしになっているので、co-baに来ている間はあまり外に出ません。「あえて気晴らしするならば?」という質問に答えるのであれば、仕事に関わる宇宙関連の情報収取をしています。半分趣味ですが。

 

―英会話レッスンはどれくらいの頻度で受けているのですか?

 

月金の夜、オンラインで英会話の家庭教師から指導を受けて、土曜は調布の英会話スクールに通っています。
TOEIC対策とスピーキング練習が目的で、オンラインテストを受験する時はco-baで受けたりしています。

今は資格試験対策で勉強しているのですが、改めて英語の勉強をし直すのは数年ぶりで、
ここ一年は毎日、最低1.5時間はリスニングを、加えてスピーキング対策の時は、マスクの下でぶつぶつ英語をしゃべっています(笑)

 


―休みの日の過ごし方を教えてください

 

休みの日は、英会話レッスンに通うほかに、自宅の3Dプリンターを使って仕事のプレゼン用模型を作ったりしています。
また、モックアップ(外見を実物そっくりに似せて作られた模型のこと)をブロックで作ったりもしています。

料理も好きで、結構自炊していますね。最近はミールキットを利用することが増えて、新しい料理にトライしています。それで調味料や食材の使い方を知って(ちなみにお酢の使い方が苦手)、そのあと自分でその味を再現したりして遊んでいます。
栄養になれば成果だし、妻からのお褒めの言葉があればより嬉しいですね。

 

―とにかく「つくる」のがお好きなのですね!

 

なんでも材料と段取りをそろえて表現/成果を出すのが好きなんだなって、自分でも思います。

 


co-baを選んだ理由

 

―co-baを勉強場所として選んだ理由を教えてください。

 

「家以外の場所で資格勉強をしたい」という目的があったので、「集中できる」「家・職場の双方から近くて寄りやすい」「宇宙業界以外の人がいる」という3つのポイントで選びました。自宅は誘惑(趣味)が多いので集中できなくて。

結婚と転職を機に調布に引っ越してきて3年目なのですが、それまでは茨城県つくば市に住んでいました。つくばにいた時も、上記のポイントで選んだつくば市にある「Up Tsukuba」というコワーキングスペースを利用していました。

そこのオーナーに、「調布にいいコワーキングあるよ!」と教えてもらったのが、co-ba CHOFUでした。

後で知ったのですが、Up Tsukubaのオーナーとco-ba CHOFUのコミュニティマネージャーが知り合いで、事前につくばから僕のことを連絡しておいてくれたようで、おかげで入会手続きもスムーズでした。

 

―宇宙業界以外の人がいる、という部分にこだわった理由は?

 

宇宙業界は狭いし、業務内容も世間離れしていると感じています。「普通の社会」に接しておかないとまずいな、と学生時代から思っていました。違うということを自覚して、世の中の情報や雰囲気を肌で感じられるように、というのもあり、宇宙業界以外のお仕事をする人たちが集まっているコワーキングスペースを選びました。

 

今後チャレンジしたいこと

 

―今後チャレンジしたい仕事について教えてください。


宇宙系の勉強会や講演、授業依頼の対応件数を増やしたいです。

 

―2021年8月にco-baで登壇くださった「子ども向けオンライン宇宙講座」はとっても好評でした!

 

つくばでも、対面で宇宙講座をやっていたのですが、今回子ども向けとしては初めてオンライン講座を対応させて頂きました。

参加してくれた彼ら彼女たちが進路や仕事を選ぶ時に、宇宙業界も選択肢の1つに入れてほしいな、という思いがあって、子どもたちに教える活動を以前からやってきました。“自分の仲間集めをしたい”っていう気持ちも強いですね。


co-baでも、今度は対面で子ども向け宇宙講座を開催したいですね。僕のことを近くに感じてもらって、宇宙開発も身近に感じてもらえたらいいなと思っています。

 


インタビューを終えて

 

実は、JAXAがあったり、国立天文台が近くにあったりと、なにかと宇宙を身近に感じやすい調布。ちょうど、民間人の宇宙旅行も話題になっていますし、子どもたちが宇宙に触れる機会も増えてきましたね。
また近々、増田さんに宇宙講座を開催していただく予定ですので、ぜひホームページをチェックしてくださいね!(shino)