入居者インタビュー vol.1 TEAMKIT小谷草志さん(1/3)

  • 2018/09/20

渋谷区神南に10月オープン予定のスタートアップにフォーカスしたワークプレイス「co-ba jinnan」では、続々と入居者が決まりつつあります。このマガジンでは、co-ba jinnanに集まる個性豊かなメンバーたちを紹介していきます。

vol.1はTEAMKIT代表の小谷草志さんをお呼びして、全3回にわたってお送りいたします。

(聞き手:神南BOYZ)

 

ー本日は入居者インタビューということで、TEAMKIT代表の小谷さんにお越しいただきました。どうぞよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

 

小谷草志(こたにそうし)
兵庫県生まれ。TEAMKIT代表&フリーランス
株式会社schooの立ち上げ期にインターンとして参画。その後、マーケティングリサーチに従事。現在は、鳥取⇄東京の二拠点生活をしながらプロジェクトシェアプラットフォーム『TEAMKIT』の運営とフリーランスのパラレルワーク中。
Twitter: @KotaniSoushi

 

TEAMKIT(チームキット)
実績と繋がりで信頼を可視化し、プロジェクトのメンバー募集や参加を促進するサービス。これまで見えなかった「信頼」を可視化し、本来なら巡り合わない「縁」を創造することができるプラットフォームを提供する。
Web: https://teamkit.jp/

 

自由の極致にあるはずのフリーランスが、なぜ自由じゃない形で働いているんだろう

 

ーまずは小谷さんがTEAMKITを立ち上げるに至った経緯について聞かせていただけますか。

両親が自営業をやっていたんです。その中で、自分のやりたいこととか、情熱を注げるようなことを仕事にできるというのは、幸せなことなんだということを言われて育ってきたんです。

ーはい、素敵な環境ですね。

大学卒業までは、ずっとその基準でいろいろな選択をしてきました。ですが、社会人になって周りを見わたすと、そういう基準で選んで仕事をしているという人たちが全然いないんです。

そんなものなのかな…と思いながら、最終的には自分もフリーランスになるのですが。フリーランスって、自由な働き方の極致にいる人たちのはずだったのが、いざなってみると思いの外不自由なところがあって。

ーなるほど。

たとえばクラウドアウトソーシングって、個人に依頼すれば安くすむよね、という頼み方が前提にあるんです。会社に比べて、個人って交渉力が弱いんですよね。

自分自身の経験からも、フリーランスは使われてしまう、という側面があって。そこの解決が根本にある課題意識となっているというか。なんで自由の極致にあるはずのフリーランスが、自由じゃない形で働いているんだろうという。

ーすごく、グッとくることばですね。

フリーランスを取り巻くこのような環境がもうちょっと整備されて、個人がコラボレーションしながら仕事のやりくりができるようになれば、企業側に対しても「価値観に合わないからやらない」と言えるようになる。そういう面で、もっとフリーランスの立場に立ったサービスを作りたいと思ってきました。

フリーランスと会社員という二項対立自体がナンセンス

 

フリーランスと言っているのは、働き方の自由の極致にいる人たちで、そういう人たちがもっと元気になって、自由に働けるようになるといいなと。自分の人生を選んでデザインできる社会であってほしい、という価値観が根本にあるんです。だから、ターゲットとしてフリーランスと呼んでいるけれど、企業に勤めていようと関係ないのかなと。

ー働きたいように働く、という意味で境目はないですもんね。

フリーランスと会社員という二項対立があるじゃないですか。でもこの対立自体がナンセンスだと思っていて。「お前はフリーランスなのか?会社員なのか?」みたいな会話ではなく、その境界をもっと自由にデザインできるようになればいいと思っているんです。

例えば、メンバーの井上豪希さんの生き方は面白いですよ。料理家、狩猟もやる、会社員でもありつつ、自分の会社も持っている。そしてフリーランスとして仕事も受けている。

ーすごい、食を網羅していますね!

彼がやっているのは「半径300mの人脈で仕事がちゃんと回るようにしていきたい」ということです。みんながこのように働ければ、それぞれがの300mの繋がりをつかって仕事ができるようになる、という思いで活動している人で。

 

株式会社TETOTETOを運営する井上豪希さん

TEAMKITには「他己紹介」の考え方があるのですが、紹介を通してその人が信頼できるか?というところが見えてくる、という意味でTEAMKITが目指している世界観にかなり近いと思っています。

ー井上さんは具体的にはどのようにお仕事を請けられているんでしょうか。

生産者やメーカー、職人といったいわゆる作り手と呼ばれる人たちのブランディングを請け負って、自分自身はプロデューサーとして入り、デザイナーやエンジニアなど、必要なメンバーを「半径300m」の中からアサインしてプロジェクトを進めています。

こういうケースだと、企業側が十分に予算を持っていないことも多いんです。もともとメーカーの下請けをやっていたところが自分のブランドを作りたい、みたいなことがよくあったりするので。

そういう中で発注側の思いに共感できる場合「最初はお金いらないです」としてしまう。その代わり上梓してから終わるまでに得られた分の利益をデザイナーやカメラマンで分配しましょう、と提案する。

ーなるほど、プロジェクトベースで収入を確保するようなイメージですね。

フリーランスって一般的に受発注のショットの部分でしかやり取りできないイメージがあるのですが、このケースのようにレベニューシェアを採用することによって、参加するフリーランスのメンバーにベースとなる収入源を確保することができるんです。

売れている間はずっと収入を確保できる。そうすると、自分の仕事を選べるようになります。そういう状態をもっと全国に広げていけると、みんなもっと幸せになるんじゃないかと思っているんです。

(つづきます)

次回はTEAMKITのサービス内容や特徴的な機能に踏み込んでお話をうかがいますよ。どうぞ、お楽しみに!



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